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ーーーー時は明治初期


ある街の一角に、大変繁盛していた医院があったという。


そこは肺結核や3日ころり等で、どの医者にも治せない、と見放された患者が辿り着く最後の医院。


若い男女二人が経営する医院だという。


なんでも、素晴らしい催眠療法の腕で、不治と恐れられている病を治してしまうというのだ。





男「先生、ありがとうございます!!お陰様で3日ころりもすっかり良くなったんです!」


?「ふふふ、それは良かったです。ではまた明日、最後の治療を行いますので同じ時間にお越しください」



男「はい!ありがてぇ!またお願いします!

魘夢先生!」



女性のように整った顔で目を細め、笑顔で患者を見送る男。魘夢。


玄関でその患者から金を受け取り、サラサラと紙に記録し、笑顔で患者を見送る女。A。


Aは患者が見えなくなるまで見送ると、玄関の扉を閉めた。


そして着物の裾をたくしあげていた半幅帯を解き、玄関につっかえ棒を刺して開けられないようにする。



彼女がふぅと一息つくと、魘夢は両手を広げて彼女の方へ向く



魘「おいで。今日もご苦労だったね」


Aはふふふと笑い、魘夢の腕の中に飛び込む。


そう、彼らは恋仲。


しかし時は江戸。まだ命令婚が主流であり、本来あってはならない状態。


この関係が外に知れれば大変な事になるが、彼等はそんな事は関係なく、幸せに過ごしていた。



彼等「は」。

弐→



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作者名:カンザキヒヨリ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年9月27日 1時

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