扉の向こう側【黒】 (ページ6)

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向井｢ほらA帰るで～｣

｢ごめんこうちゃん、ちょっとよる所あるから翔太と帰ってて？｣

よる所って言っても

１箇所しかないんだけど

向井｢めめによろしくな～！！｣

って言ってくるこうちゃんにはやっぱり嘘は付けないみたい

わかったっていう返事を込めてこうちゃんに笑顔で手を振り゛ある場所゛に向かう

｢目黒先輩、その小説どうでした？｣

目黒｢ …… うーん、眠くなる｣

｢やっぱ先輩に小説なんて早いんですよ笑｣

この時間帯は屋上は閉鎖されてるから

私がお気に入りだったこの非常階段を目黒先輩にオススメしてあげたら喜んでくれて

今では放課後になると目黒先輩はここにいる

｢今日、サッカーしてる先輩かっこよかったですよ｣

目黒｢あ、見てくれた？｣

｢手振ってくれたじゃないですか｣

目黒｢あれはAにじゃなくて康二にだよ｣

｢こうちゃんあの時間寝てましたよ｣

あれ、おかしいな

なんて言いながら恥ずかしそうに髪をぐしゃぐしゃってした先輩

……照れ隠しってことくらい鈍感って言われる私でもよくわかりますよ

｢目黒先輩ってサッカー得意なんですか？｣

目黒｢まあ一応？俺体育以外の教科欠点取りかけてるし｣

へへへって呑気に笑うけど

先輩、それじゃもしかしたら卒業できないですよ笑

｢先輩留年しちゃったらどうするんですか｣

目黒｢そしたらAと同じ学年になるってことでしょ？｣

それなら留年してもアリかもって言う先輩は

やっぱり狡い