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_カダルタウン_

宿屋を後にした私達は、村娘Aの言う隣町にやってきた。

カダルタウン、と言うらしい。

見渡す限り人、人、人。
あちらこちらが人で賑わっていて、アイル村とはかなり対照的だ。

「寄ってらっしゃい、見てらっしゃい!
今日も新鮮な野菜や果物を沢山仕入れてるよ!」

「いらっしゃい!
お、冒険者くん、ちょっと見ていかないかい?
冒険に必要な道具はなんでも揃ってるよ〜!」

「切れ味抜群の剣!魔力を増強させる杖!!
毒効果を付与できる弓!!!
強い武器が欲しいならここで買っていきな!」

四方八方から商人の声が飛んでくるたび、私は大興奮でそちらの方を見る。

「うわっ、変な野菜!紫色のニンジン!?やば!」

「ポーション!!蘇生薬!!!美味しいのかな?」

「え、なにあの武器キラキラしてる欲しい!」

キョロキョロと色んなところを覗いては興奮している私の手を引いて村娘Aはある店の前へと進んでいく。

「武器は買いません。
そもそも戦えないでしょ、私達。


こんにちは〜!
えーっと…
牛乳と卵…それからお砂糖、ありますかー?」

村娘Aが私を連れてやってきたのは、あの賑やかな街中とは少し離れた場所に位置するお店。

店の向こう側には、牧場が広がっていた。
よーく目を凝らすと、なるほど確かに、柵の向こうで干し草を食べる牛が点々見える。

「…うん?その声は…

わっはっは、やっぱりあんた達かい。
安心しな、ちゃーんと用意してあるよ!」

「ほんとですか、ありがとうございますっ!」

村娘Aの声を聞いて、カウンターから顔を出したのは、ちょっと体の大きい女性。
大きな声で豪快に笑いながら、ちょっと待っててねぇと言ってカウンターの奥へと消えていく。

「マルセル!
仕事だよ!牛舎にある1番でかい台車を店の前まで持って来ておくれ!!」

店の中から大きな声がこだまする。
少しして、それに応えるように誰かの声が返ってくる。

「は、はい!分かりました!」

若い男の子の声。
少し慌てているみたいで上ずっている。

程なくして、女の人が店の奥から再び姿を現すと、今度は裏口に回り、私たちの前までやってきた。

「ほんとに、久しぶりだねぇ。
元気にしてたかい?」

「はい、私もこの子も元気です!
ルチルおばさんも、お元気でしたか?」

「わっはっは、見ての通りさ!

あぁ、そうそう。
…あれからジョセフさんの体調はどうだい?」

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設定タグ:異世界転生 , RPG   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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作者名:無名 | 作成日時:2022年1月24日 0時

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