F#8 ページ11
.
『近ちゃん』
「やだ」
『一緒に見ようよ』
「無理無理無理」
『でもせっかく借りたんだし』
「そんな物借りるなよ」
『夏なんだからいいじゃん観よう』
「やだ、絶対やだ」
私の誘いを断って
タオルケットにくるまる近ちゃん
まるで大きな猫
いや熊かな
せっかく彼と一緒に観ようと借りてきたのに
ホラー映画
井戸から女の人が出てくるやつ
『涼しくなるよ』
「エアコンついてるから大丈夫」
『電気代勿体ないじゃん』
「テレビ消せばいい」
『まぁ、確かに』
会話の最中もタオルケットから顔を出さない近ちゃん
ホラーが苦手って上沢くんから聞いてたけど
ここまで怖がるなんて正直思ってもなかった。
もっと怖がる彼を見てみたいかも
『あ』
「どうかした？」
『うわっ、なにこれ、すごーい』
「何がすごいの」
『やばい』
「だから何がやばいの」
『近ちゃんここは見なきゃ損だよ』
「.........もおおおっ、A！」
『ふふふっ』
私の言葉にタオルケットから
ひょっこり顔を出した近ちゃん
テレビから女の人が出て来て
恐ろしい目がアップになった所
１番の見どころを観てしまった彼は
怒りながらタオルケットやクッションを
私に投げてきた。
その反応が面白くて笑いながら受け止める。
ちょっと意地悪し過ぎちゃったかな
『ごめんね、健介』
「...許さん」
『反応が面白くてつい』
「俺は全然面白くない」
『そうだよね、ごめんなさい』
「これからホラー映画禁止だから」
『分かった』
「脅かすのも禁止」
『はい』
「...許す」
『ありがとう』
投げられたタオルケットを彼に渡し
彼の頬に口付けをする
むくれていた近ちゃんから笑顔が戻ったことを確認し
今度は唇を重ねた。
唇を離すと彼も顔を寄せてきたので
その顔を手で押し返す
「A？」
『そろそろ帰らなきゃ』
「え、泊まらないの」
『明日もデーゲームでしょ』
「大丈夫だよ」
『ダメ』
「大丈夫だって」
DVDを取り出し荷物をまとめる私の手を
健介が掴んできた。
妙に焦ってるけど
どうしたんだろう
もしかして
『１人で眠れない？』
「そんなんじゃない」
『じゃあ帰るね』
「待って待って」
『ん？』
「一緒に、寝てほしい」
『ふふふっ』
「誰のせいで」
『ごめんごめん、一緒に寝よう』
こんなにも可愛い近ちゃんが見られるなら
またホラー映画上映しようかな
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 241人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぴか(プロフ) - コメント失礼します。パスワード保護の作品を拝見したいのですが、どこにメッセージを送ればいいかわかりません。教えていただてないでしょうか？成人済みです。 (2020年2月20日 22時) (
レス) id: 662766437e (このIDを非表示/違反報告)
あっさん(プロフ) - 初めまして！読ませてもらってます、すごく面白いです！丸選手のもっと見たいです(＞＜)できたらお願いします(._.) (2019年8月27日 11時) (レス) id: 472d8e7748 (このIDを非表示/違反報告)
つー(プロフ) - 全く中途半端だとは感じませんでしたよ！また更新楽しみにしておきます！スランプが大変なのは、よくわかるので……。ゆっくり楽しみながら書かれて下さい！リクエストに対応してくださり有難うございました。 (2019年8月26日 2時) (レス) id: 93addbfaf2 (このIDを非表示/違反報告)
つー - 初めまして、つーと申します。リクエストなのですが3の、続編書こうか迷っていると書かれていた小林選手との後日談をお願いしたいです。いつも楽しみによんでいます！おれんじさん、これからも、頑張ってくださいね！！ (2019年7月14日 22時) (レス) id: 4eca82afd5 (このIDを非表示/違反報告)
kobamina0531(プロフ) - リクエストありがとうございました。また同じ設定で違うパターン書いてほしいです (2019年7月6日 15時) (レス) id: 09902afc1b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おれんじ | 作成日時：2019年6月22日 23時
