C#1 ページ49
.
「A」
『...............』
「Aちゃん」
『...............』
「Aさーん」
『...............』
くだらない喧嘩をしてから２時間
重たい空気にしびれを切らした誠也が
先程からずっと声を掛けてくれてるけど
意地を張った私はずっとその声を無視してる。
「そろそろ仲直りしませんかー？」
『...............』
「俺が悪かった、ごめん」
『...............』
「許してくれる？」
『...............』
「ねぇ」
『...............』
「はぁーっ」
大きなため息をついた彼は立ち上がり
自分の携帯と財布を持ってそのまま
玄関に向かい扉を開け外に出て行ってしまった。
せっかく仲直りする機会をつくってくれたのに
なんで私は素直になれないんだろう
くだらない意地のせいで誠也に愛想を尽かされた
うじうじここで後悔してても仕方ない
今すぐ追いかけて謝りに行こう
彼が忘れていった上着を持ち私は玄関を飛び出した。
『誠也待って！』
「え、どうした」
『さっきはごめんなさい』
「A」
『変な意地張って本当にごめんなさい...だから帰らないで』
「わざわざ追いかけに来てくれたの？」
『仲直りしたくて』
彼の上着を両手で握り締め頭を下げると
誠也は笑いながら私の頭を撫で持っていた上着を受け取った。
「帰らんよ、コンビニ行こうと思って出ただけ」
『そうなの？』
「Aの好きなお菓子買いに行こうと思って」
『...ありがとう』
「それよりさー、そんな寒い格好で外出たらダメじゃん」
『慌ててたから』
「これ着て」
慌てていたせいで私は薄い部屋着のまま
その私に誠也は上着を肩にかけてくれた。
『あったかい』
「わざわざ追いかけにきてくれてありがとう」
『だって...せっかく誠也が謝ってくれてるのに...私』
「もういいって」
『...うん』
「それよりこのままコンビニ行く？」
『帰る』
「いいの？」
『仲直りのちゅーしたい』
「よし、すぐ帰ろう！」
手を繋ぎ来た道を２人で戻る。
誠也のたくましい腕に私は身体を寄せた
「寒い？」
『んー誠也のこと好きすぎてくっついちゃった』
「まじか」
『ダメだった？』
「あーもう可愛すぎる、急いで帰ろ！
早くAといちゃいちゃしたい！」
仲直りの夜はいつもより熱い
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作者名：おれんじ | 作成日時：2019年1月12日 23時
