隣にいてもいいですか【3】 (ページ31)

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Sh#? ページ31

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平日なのに今日はいつも以上に
ファンの人がスタジアムに観戦に来てる。

毎年この日は女性ファンが多い
何故なら手に持っている紙袋を渡すため

選手が通る度に歓声と共に渡している。

その光景に感心しながら横を私は通り過ぎていく

私も鞄に入ってる物を渡さないと
堂々とは渡せないけどちゃんと気持ちを伝えて

そう考えていると突然背中を強く叩かれた。

「Aちゃん！」

『慶三さん、痛いです』

「お疲れ！」

『お疲れ様ですってなんで叩くんですか』

「暗い顔してたから(笑)」

『してませんよ』

「お兄さんがチョコあげるから元気だして」

『してませんって』

「たくさんあるから遠慮せんで」

『...............』

「なに？」

『いえ、べつに』

「なんだよー！」

笑いながら私の背中をぽんぽん叩く慶三さんの両手には
たくさんの紙袋が引っかかっていた。

その紙袋を見つめながら言葉を続ける

『慶三さんって』

「ん？」

『モテますね』

「でしょー？」

『変な髪型してるのに』

「おい」

脇腹をグリグリされ抵抗するけど
しつこくグリグリされる

お返しに脇腹を突っつく

慶三さんと突っつきあっていたら
視界にフワフワした頭が入ってきた。

「なにイチャイチャしてるんっすか」

『してないよ』

「めっちゃ楽しそうでしたけど」

「哲郎」

「はい」

「なんで間に入ってくるんだよ」

「ダメっすか？」

後ろからツッコミを入れながら来た哲郎は
突っ付き合いしていた私と慶三さんの間に
無理やり入ってきた

ニヤッと笑みを浮かべる哲郎

流し目で哲郎を睨む慶三さん

微妙な空気が流れていることに気付いて
慌てて話題を変える。

『あ、哲郎もたくさんもらえたんだね』

「これ？」

『そうそれ』

「うん、今年はめっちゃ貰えたー」

『去年大活躍だったもんね！』

「Aもっと褒めてー！」

「よしよ～し」

「痛てぇ」

寄り添ってきた哲郎のパーマがかかった
フワフワの頭を撫でようとしたが先に
反対側にいる慶三さんが乱暴に撫でた。

嫌がる哲郎を楽しそうに撫でる慶三さん

『仲良いんですね』

「いやこれイジメやから」

「イジメ？可愛がってんだよ」

「どこが」

「そんなことより俺はAちゃんと仲良くなりたい」

『あ、明石さん！』

「Aちゃーん、聞いてるー？」

「ふっ」

「お前は笑ってんじゃねぇよ！」