もしあなたが【短編】 (ページ4)

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仕事が終わりタイムカードを押してエレベーターに乗る。

エントランスに出る前に後ろから声をかけられた。

「A！」

『あ、西川くん』

「よかったー！間に合った」

『もしかして階段で降りてきたの？』

「エレベーターじゃ間に合わんと思って走ってきた」

『............西川くんって足速いんだね』

「まぁな...それより一緒に帰ろう」

『うん』

横に並んで一緒に帰る。

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『あ、西川くんおめでとう』

「ん？なにが？」

『今月の売上２位って聞いたよ』

「あーらしいな」

『２位取れちゃうなんてすごいね』

「そうか？１位やないし正直微妙」

『西川くんならすぐに１位取れそう(笑)』

「.....................」

『西川くん？』

「もしさ、俺が１位取ったらAご褒美くれる？」

『ご、ご褒美？』

「それなら俺頑張れるんやけど」

『......私でよければ』

「よっし！」

嬉しそうにガッツポーズをする西川くん

『そんな大袈裟な(笑)』

「Aからのご褒美楽しみやなー」

『あんまり期待しないで』

「来月には必ず１位になるから」

そう言って遠くを見据える彼があまりにもかっこよくて
心臓の鼓動が早くなった。

『西川くん』

「ん？」

『......なんでもない』

「変なやつ(笑)」