もしあなたが【短編】 (ページ30)

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誠也くんオススメの映画一緒に並んで観た。

内容は面白くて私は夢中になって観ていたけど
途中から映画に全く集中できなくなった。

何故なら隣に座っていた誠也くんが徐々に私に近付き
気付いたらお互いの肩が触れ合うくらい近い。

心臓の音が聞こえてしまうんじゃないかと思ってしまうくらい
緊張で私の心臓は大きく鳴っている。

そのせいで内容が全く頭に入ってこない。

「先輩」

『............』

「先輩？」

『...え、なに？』

呼ばれて誠也くんを見ると思いのほか顔が近くて顔が熱くなる。

「先輩」

『...っ』

「顔真っ赤ですよ」

『うるさい』

「......可愛い」

恥ずかしくなって顔を彼から逸らして俯くと
誠也くんはさらに距離を詰めてきた。

ビックリして顔を上げると
誠也くんは熱のこもった目で私を見つめてる。

その熱い視線に私は目が離せなくなる。

しばらく見つめ合ったあと、唇を重ねた。

誠也くんの唇は柔らかくて温かった。

唇が離れてまた見つめ合う。

もっと誠也くんを感じたくて今度は自分から唇を重ねた。

それを合図に口付けが深くなる。

舌を何度も何度も絡ませられる。

時々舌を吸われたり歯茎をなぞられる。

しばらくすると私は息が上がってしまい無理やり唇を離す。

誠也くんは不満そうな顔をして机に置いてあるリモコンを
手に取り本編が終わりエンドロールが流れているテレビを消した

そして満面の笑みを私に向けて

「先輩、今日泊まりますよね？」

『え』

「ベッドこっちです！」

『ちょっと』

手を引かれ、そのまま寝室に押し込められた。

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翌日の仕事中、何度も何度もあくびが出てしまう

『..................』

「あーねっむ」

隣に座ってる彼も何度もあくびをしてる。

そんな私たちを見て上司が声をかけてきた。

「なんだお前ら２人して寝不足か？」

『す、すいません』

「すいません、いろいろありまして(笑)」

「は？いろいろ？」

「昨日先輩と一緒に飯食ったんですよ」

無言で隣を睨みつけるがその視線を無視して
子供のような笑顔を上司に向けている。

「お前ら仲良いんだな」

「はい、仲良すぎてなかなか寝ることができず......いって！」

「どうした？」

「あーなんでもないです(笑)」

思いっきり足を踏みつけて誠也くんの暴走をとめたが
彼は私に笑顔を向け小声で

「今夜もいろいろしましょーね？Aせんぱい」