隣にいてもいいですか【2】 (ページ10)

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『あ、上沢おはよう』

「おはよう」

『待っててくれたの？』

「そばに居るって約束したろ」

『ありがとう...』

出勤すると上沢が出迎えてくれた。

本当にいい友人だ...今度ご飯奢ろう。

「お前ら一緒に出勤？」

『近ちゃん違うよ』

「なんだー朝帰りかと思った(笑)」

「こいつと朝帰りとか...男として終わりだ」

『そ、そこまで言いますか！』

「上沢は照れてるだけだよー」

「は？」

『あ、そうなのー？』

「馬鹿じゃねぇの」

『昨日の夜もご飯誘ってくれたんだよー』

「仲良しだねー！」

「それはこいつが「おはよう」

「西川さん、おはようございます」

『..................』

廊下で話をしていた私たちの後ろから彼の声が聞こえた
咄嗟に逃げ出そうとした私の手を上沢が掴む。
そして無言の圧力を与えてくる。

『お...おはようございます』

「.........おはよう」

顔を見ることはできなかったが挨拶はできた！

「できたじゃん」

『できました』

「なにが？」

『私が成長できたってこと』

「え？どういうこと？」

上沢のおかげで少しずつ元に戻れそう。

今日は西川さんを避けたり無視をしなかった。
西川さんの顔をまだ見ることができないけど
このままいけば前と同じような態度に戻れる。

きっと飲み仲間には戻れないけど

選手とトレーナーとして戻れるはずだ。

『今日は１日ありがとうございました』

「飯奢れよ」

『もちろんです』

「明日からは１人で頑張れるよな」

『うん、もう大丈夫！』

「ん」

『本当にありがとう』

「べつに...飲みに行く？」

『奢りますよー上沢さん！』

「言ったなー覚悟してろよ」

『え、あんまり高いところは...』

「ほら行くぞ」