隣にいてもいいですか【2】 (ページ9)

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F#7 ページ9

『好きです...付き合ってください』

「ごめん」

『..................』

「Aちゃんをそういう目で見れない」

『そ、そうですよね！変なこと言ってごめんなさい』

「いや、こちらこそごめんな」

片想いをしていた相手に振られました。

それは今まで関係も終わってしまうということ...
告白したことに今さら後悔する。

西川さんとは選手とトレーナー、そして飲み仲間だった。
無知な私にたくさんお酒のことを教えてくれた。
告白しなければその関係は続いていたのに

告白なんて…しなきゃ良かった…

「おい」

『上沢』

「大丈夫か？」

『全然大丈夫...』

「大丈夫って顔してないけど」

『振られました』

「あーダメだったかー飲みに行く？」

『今日はもう帰る...』

「ん、気をつけて」

『ありがとう...』

上沢とは同い年で出身地も近いせいかとても気が合う。
何でも話せる私の大切な友達。

西川さんのこともよく相談した。
嫌な顔をしながらも彼は真面目に話を聞いてくれて
アドバイスもたくさんしてくれた。

そんな友人の期待に応えることができずさらに落ち込む。

その日は何も食べず布団に入りすぐに寝た。

それからの１週間、私は酷かった。

何故なら気まずくて西川さんのことを避けていたから。

すれ違っても目も合わせず頭を下げるだけ。
挨拶されても無視をしてしまう。
西川さんが部屋に入ってきたら私は部屋から出る。
声をかけられても聞こえないふりをして逃げる。

ものすごく失礼なことをしてるのは分かってる。

でも変に意識をしてしまい彼の顔を見ることができなかった。

そんな私の酷い態度に見兼ねて上沢が怒ってくれた。

「お前さーあからさますぎ」

『...はい』

「それに無視はダメだろ」

『...はい』

「お前はトレーナー」

『...はい』

「私情を持ち込むな」

『おっしゃる通りです』

「明日はちゃんと仕事しろよ」

『...はい』

「できるだけお前の傍に居てやるから」

『え』

「すぐに叱れるように」

『こ、心強いです...』

私の子供すぎる対応のせいで友達にまで迷惑をかけてしまった。

明日はきちんと大人の対応に戻ろう。

振られた事実は何しても変わらないんだから。