第106話 本大会編（終） ページ42
---同日 PM5:00 ---
泣きじゃくる私と、その隣には黙って背中を摩ってくれるライダー。
モニターには、余裕の笑みを浮かべたブラスト。
奇跡は、起こることもなく
ブラストの圧倒的な勝利で幕を閉じたのだった。
『……っ…う……ひぅ……っ』
ラ「…もう泣くなよ。お前だってよく頑張っただろ…。」
彼の優しい言葉に、余計に胸が苦しくなる…。
『…だって……だって……。』
観客が誰もいなくなった会場の隅で、夕焼けに照らされながら私は泣いた。
悲しくて、悔しくて…
優勝したかったわけじゃない…ただライダーにいっぱい褒められたかっただけ…。
一向に止まらない涙を見て、ライダーは口を開く。
ラ「…何年か前に。」
『…？』
ラ「俺がまだ、初心者だったころに、大会に出たんだよ。」
『…ライダーが…？』
ぱちぱちとまばたきをしながら、私は静かにライダーの話を聞く。
ラ「ああ。…でも負けちまった。しかもボロ負けだぜ、笑えるだろ。」
『……。』
今の私みたいじゃないか…。
ラ「…その時からずっと練習して、次の年に初めて優勝した。」
『…！』
ラ「…だからそんな泣くなよ。少なくともお前は強い。俺が見てもな。」
ぎゅっ〜とほっぺをつねられて無理やり笑顔を作らされる。
『う〜〜………っえへへ///……元気出た、ありがとライダー…！』
ラ「…おう。///」
そのまま、しばらく雑談して日も落ちたころ
ラ「…あ、そういや。」
『…？』
思い出したようにライダーが言った。
ラ「お前、明日誕生日だろ？」
『…あ、ほんとだ。』
…でも、別にライダーが気にすることではないような…。
あ、そうだ。
『…誕プレ買ってね…！』
ライダーに冗談で言ってみる。
きっと「ねーよ、アホ」っていつもみたいに答えてくれると思ったから。
でも
ラ「…あー、そうだな。用意しないとな。」
『！……え。』
予想外だった。
ラ「え、じゃねぇだろ。大会終わったし、そっちも兼ねて明日どっか行くか。」
『…へ。///』
…彼氏かお前は…///
無性にツッコミたくなったが、心の底では嬉しくて、
正直きゅんとした。
ラ「…あ？何ぼーっとしてんだよ。」
『……え、……えへ…///…へへへ///何でも…ない…よ…！///』
好きな人と迎える明日が、楽しくなった日だった…。
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メガメガネ - あの、裏置き場ってどこですかね？いなりさんの 作品一覧で探してもなかったです私の勘違いだったらすいません。できればでいいのですがＵRLを張っていただけると助かります！ (2022年10月3日 1時) (
レス) id: 3b559118bb (このIDを非表示/違反報告)
JCひっちゃん - ハルさんに賛成しまーす！ (2019年12月6日 22時) (レス) id: 821d0f24ba (このIDを非表示/違反報告)
☆コロイカ大好きなハル☆3DS用(プロフ) - 二話更新！たっぷり妄想させていただきました…(ないとぉぉぉ///おうじぃぃぃ///)ライダー様はどのような姿でもイケメンですぅぅぅっ！！ライダー様、結婚しましょ← (2019年12月5日 22時) (レス) id: df6dc439d5 (このIDを非表示/違反報告)
いなり(プロフ) - ☆コロイカ大好きなハル☆3DS用さん» ありがとうございますうう( ;∀;)存分に妄想してやってください…( ;∀;) (2019年12月4日 21時) (レス) id: edd73da740 (このIDを非表示/違反報告)
☆コロイカ大好きなハル☆3DS用(プロフ) - ついに4！！！！おめでとうございます！！！これからも、楽しく(そして、脳内で妄想しながら)見させてもらいます！！！ (2019年12月4日 21時) (レス) id: df6dc439d5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いなり | 作成日時：2019年11月7日 19時
