続き ページ10
深夜のことだった。
「…?」
カタカタとパソコンを打つような物音に私は目を覚ます。
(あれ、ブラックまだいるのかな。)
眠たい目で、ちらりと横に視線を移すと、そこには確かにブラックと思わしき一人の影と、もう一つの小さな影。
「ジー…。」
「…ええ、カメラちゃん。分かってますよ…。」
暗闇の中で聞こえたブラックとカメラちゃんの会話。
「最近はAちゃんも落ち着いてきて、あまり鬼ヤバな動画は撮れてませんでしたしねぇ…。
…やはり、大人ではダメですね。」
「ジーッ…。」
「え?寂しい?…まさかカメラちゃん、Aちゃんに情が湧いたんですか?」
カメラちゃんの言葉は、私には理解できないから話の筋がピンと来ないまま、二人は淡々と会話を続ける。
「ジーッ、ジー…?」
「オレちゃんが?楽しそうだった?…カカカ、あんなの本気なわけないじゃないですか。」
「ジジ…?」
「カメラちゃん…オレちゃん達、悪魔が人間に求めているのは極上の
珍しくブラックに対して、何かをごねているカメラちゃんにブラックが言い聞かせる。
…とても嫌な予感がした。
「とにかく、この娘はもう潮時ですねぇ…撮れ高も十分ありますし。」
ブラックが視界の端でことん、と窓に足を開ける音がする。
(…待って、今の、どういう…!)
やっと事の重大さに気付いた私は、すぐにブラックを問い詰めようとするが、身体は金縛りのせいでピクリとも動かない。
(嘘、だよね…?だって、ずっと一緒にいたんだよ?そんなすぐ、サヨナラなんて…!)
「まぁ、中々にポテンシャルのある子でしたが……やはり大人になってしまうとつまらない。」
ブラックがバサッと翼を広げる音がした。
(待って!ねぇ!私、もっと企画頑張るから…っ!ねぇ!捨てないで…!ブラック!!)
今にもカメラちゃんと共に飛び去ってしまいようなブラックに必死で手を伸ばしても、身体はまだ動かない。
「人間の成長は早くて残念ですねぇ…。では、また来世。」
「ブラック…っ!」
彼が闇夜へと消えていく瞬間に、金縛が解け、声が出た。
しかし、振り返った彼は
「
とニヤリと笑って残すと、そのまま姿を消した。
…そして、もう二度と私の前に姿を現すことはなかった。
◆気持ちいいクスリ(甘々?微エロ・リクエスト作品)→←◆契約終了
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イエイ - ぎゃああああああああああああ!!??いい作品すぎるー!?続きが待ちきれないぜ☆←落ち着け (9月12日 21時) (レス) @page43 id: 3b9832ac3e (このIDを非表示/違反報告)
おむすび - 個人的に余裕全開の先輩ブラックがうぶな後輩夢魔主を抱く(?)話しが好きです。(いいぞブラックもっとやれ) (2023年4月2日 7時) (レス) id: ef589f12bf (このIDを非表示/違反報告)
いなり(プロフ) - かりりんさん» コメントありがとうございます♪ぜひぜひ、気長にお待ちください (2022年6月20日 13時) (レス) id: 44292e34f7 (このIDを非表示/違反報告)
かりりん - 続き楽しみです❗️ (2022年6月17日 18時) (レス) id: 2cbb035564 (このIDを非表示/違反報告)
かりりん - こうゆう作品探してました。 (2022年6月16日 22時) (レス) @page38 id: 2cbb035564 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いなり | 作者ホームページ:Twitter → @inary_2055
作成日時:2020年12月25日 22時