◆とある祓魔師と悪魔の話。 ページ33
※(異常に)正義感の強いエクソシスト夢主ちゃん(シスター)と(珍しく)ちゃんと悪魔してるブラックさんの話。
月の出ていない不気味な夜。
その男は現れた。
黒い服、黒い靴、黒い髪。
アクセントとして所々に見える赤。
噂通りの風貌をした男は、私を見ると高らかに笑った。
「カーカッカッ!どうも今夜は人が少ないと思えば……もう勘付かれてましたか。」
足の長いスラッとした人型の悪魔。
私はすぐに目の前の男が強敵であることを察知した。
「ここ最近、立て続けに起こっている街の人の怪死事件はあなたが原因ね。」
すかさず、しのばせていたロザリオを取り出し、強く握る。
この町のエクソシストとして、この悪魔を排除しなければならない。
私は深く息を吸った。
「汚らわしい悪魔め…罪のない人々を苦しめて何が楽しいの?来世で悔い改めることね…!」
「……なるほど…。」
ロザリオを彼に突きつけ、悪魔を祓う呪文を唱え始める。
しかし、悪魔は倒されるどころか、平然とした様子でニヤァ…と君の悪い笑みを浮かべた。
「で、オレちゃんのことをどうするつもりなんですかぁ?…ねぇ、シスターさん。」
「…当たり前でしょ。あなたを祓って迷える仔羊を…、罪なき人々を救うのよ。」
「…罪なき人々、ですか。」
すると、悪魔は笑った口の口角をさらに吊り上がらせた。
「……カカカ…それ、本当にそう思ってます?」
「は…。」
悪魔からの意外な問いかけに私は言葉を失った。
「殺された人々が罪なき人々だって、ほんとに心の底から思ってます…?それに、オレちゃんも一応契約に則って魂を頂いただけなんですが。」
「そ、それは…。」
悪魔は、まるで私の心の中が手に取るように分かるといった様子でニッコリと笑った。
嗚呼、そうだ。
罪なき人々なわけがない。
この街は穢れている。
嘘と欲にまみれた愚かな民衆が、いつだって自分たちのエゴに従って生きている。
……私は、ずっとそんな人々が許せなかった。
罪は裁かれるべきだ。
つまり、罪深い人間は殺されようが構わない。
それで、世界がまた一歩綺麗になるのだから。
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イエイ - ぎゃああああああああああああ!!??いい作品すぎるー!?続きが待ちきれないぜ☆←落ち着け (9月12日 21時) (レス) @page43 id: 3b9832ac3e (このIDを非表示/違反報告)
おむすび - 個人的に余裕全開の先輩ブラックがうぶな後輩夢魔主を抱く(?)話しが好きです。(いいぞブラックもっとやれ) (2023年4月2日 7時) (レス) id: ef589f12bf (このIDを非表示/違反報告)
いなり(プロフ) - かりりんさん» コメントありがとうございます♪ぜひぜひ、気長にお待ちください (2022年6月20日 13時) (レス) id: 44292e34f7 (このIDを非表示/違反報告)
かりりん - 続き楽しみです❗️ (2022年6月17日 18時) (レス) id: 2cbb035564 (このIDを非表示/違反報告)
かりりん - こうゆう作品探してました。 (2022年6月16日 22時) (レス) @page38 id: 2cbb035564 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いなり | 作者ホームページ:Twitter → @inary_2055
作成日時:2020年12月25日 22時