page 11 ページ13
「……はぁ。」
相変わらず殺風景な独房の中で、私は ”晩ごはん” と言われて出された "得体の知れない何か” を皿の端に寄せ、ため息をついた。
理由は簡単。
ライダー看守との”アレ”が終わってからというものの、計画にこれといって進歩が見られないからだ。
「うーん。」
もちろん、契約の通り、彼も夜中に私を叩き起こしては刑務所内の情報をこちらに流してくれている。
しかし、あの”マスク”という管理官の情報以外、有益ではあるものの今の状況をなんとかしてくれるようなものは掴めないでいた。
それに、そのマスク管理官も見方につけるには多額のお金が必要だ。
(囚人がお金なんて持ってるわけないでしょ！！)
そう心の中で叫び、私は頭を抱える。
ライダー看守に頼む、という手もあるが……いや、もうあんなことされるのは御免だ。それはほんとのほんとの最終手段にしよう。うん、そうだ。
そのあとも、ぐるぐると頭の中で思考を回転させるが、結局いい案は浮かんでこない。
ついに途方に暮れていた、そんな時だった。
「あれ〜？こんなとこに可愛いガールの囚人なんて珍しいねぇ♪」
「！！」
声が聞こえて、顔を上げると、そこには一人の看守。
刑務所に似合わない、派手なピンクのインクの男は私と目が合うとニッコリと笑った。
「あはは、ごめんね♪オレはアロハ。ライダーとかと同じ、ここの看守。」
「は、はぁ。」
ジャラジャラとハンドスピナーのように手錠をくるくると回すアロハ看守は、そう言ってウィンクをきめた。
「あー、そうそう…今日はライダーが休みでさー、代わりにオレが休日出勤なんてマジメンディー！…でも」
…そう言って、ゆっくりと格子の隙間から私の頬を撫でて…。
「…へぇ。…君がライダーの新しい仔猫ちゃんってワケだね…。」
「…え？」
妖艶なピンクの瞳で笑った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 39人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「コロイカ」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Ｓ４大好き - 楽しみです。がんばってください。 (2021年6月23日 16時) (
レス) id: fbf856d4c5 (このIDを非表示/違反報告)
いなり(プロフ) - Ｓ４大好きさん» コメントありがとうございます(*^^*)こちらの作品はまだ完結しませんが、完結したらまた新しくコロイカ作品を書く予定です。 (2021年6月22日 19時) (レス) id: 44292e34f7 (このIDを非表示/違反報告)
Ｓ４大好き - NEWの作品を書いて下さり、ありがとうございます。さすがです。また新しい作品をがんばって書いてください。応援してます。 (2021年6月22日 7時) (レス) id: fbf856d4c5 (このIDを非表示/違反報告)
Ｓ４大好き - ありがとうございます。 (2021年6月17日 14時) (レス) id: fbf856d4c5 (このIDを非表示/違反報告)
いなり(プロフ) - Ｓ４大好きさん» コメントありがとうございます！遅くなるとおもいますが、頑張って続きを執筆中ですのでもうしばらくお待ちください！！ (2021年6月16日 18時) (レス) id: 44292e34f7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：いなり | 作者ホームページ：何かあれば作者のTwitterまで ＠inary_2055
作成日時：2020年9月28日 22時
