続き4 ページ19
夕飯を終えると、外はもうすっかり夜の雰囲気に包まれていた。
満腹になって、ほくほくとした気分でふと窓の外を覗いてみる。
そこには満点の星空が広がっていた。
「…わぁ…！」
思わず目を輝かせた私は後ろで布団を出しているライダーくんに手招きをした。
「ライダーくん！見てよ！…星がすっごく綺麗…！」
「あ？星？」
敷いた布団を手放して、私の隣へと歩いてくる。
そして、窓際であぐらをかいて空を見上げると、フン、と微かに笑った。
(…わ、笑った…///)
笑った顔を見たことがないわけじゃないけれど、珍しく緩んだ表情に私の心臓はドキドキと脈を打つ。
「確かに綺麗だな。…スクエアじゃこんなもん観れねぇもんな。」
「うん！…素敵…うっとりしそう…。」
星にも。ライダーくんにも。
いつもと違う風景だからこそ趣がある。
しばらく、その美しさに恍惚としていると、星空に一筋の光が走った。
「あっ！」
流れ星…！
(えっと、えっと…私の願い…私の願いは…。)
既に過ぎ去ってしまったにも関わらず私は急いで両手を組んだ。
「…ライダーくんと…ずっとずっと、一緒にいられますように。」
「はぁっ？///」
咄嗟に口から漏れた願い事に、隣にいたライダーくんはギョッとする。
ライダーくんは流れ星に気付いてなかったのかな…？
「えへへ、流れ星に…私の1番のお願いしちゃった…！///」
「……っ////」
照れくさくてにへらにへらと笑ってしまう。
そんな私を見て、彼は、
「…っ……んなもん、星なんかに願わなくても俺が叶えてやる。…いつか…、いつか、な。」
と言ってぶっきら棒に頬を撫でた。
「えっ、それってどういう…」
意味。
そう言おうとした私の唇は、次の瞬間彼にキスによって塞がれた。
「！！」
「…っ…ちゅ……。……意味なんて言わなくても、分かんだろ。…愛してる。」
甘いキスの後に、ライダーくんが静かに耳元でそう囁いた。
(…あ……。)
私…本当にこの人のこと…、好きなんだなぁ…。
いつの間にか紅潮していた頬に気付いてそう思った。
赤くなった顔を隠すように、彼の方にこてんと乗せると暖かい手で優しく優しくゲソを撫でられた。
大好きなライダーくんの香りに包まれながら、私はもう一度、星空を見上げて、
(…ありがとう、流れ星さん。)
と心の中で呟いた。
END
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いなり(プロフ) - カービィさん» こんなに古い作品にコメントしてくださり感謝しかありません！リクエスト、遅くなるかもしれませんが検討しますね(^^)コメントありがとうございます。 (9月19日 12時) (
レス) id: 44292e34f7 (このIDを非表示/違反報告)
カービィ - リクエストです。できればタレサンくんのお話が読みたいです！ (8月15日 15時) (レス) id: ff8fbaf575 (このIDを非表示/違反報告)
こむ(プロフ) - お願いします！好きです！更新頑張ってください！ (2021年1月31日 12時) (レス) id: 1f65b2d6f9 (このIDを非表示/違反報告)
七夏(プロフ) - はい!!!無理せず頑張ってください! (2020年12月25日 15時) (レス) id: 716685a2fc (このIDを非表示/違反報告)
いなり(プロフ) - 七夏さん» コメントありがとうございます！リクエスト承りました！久しぶりのリクなので張り切って書きますね(´・∀・｀) (2020年12月25日 11時) (レス) id: 44292e34f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いなり | 作成日時：2020年9月12日 19時
