4話 島原 ページ6
「・・・ふぅ。」
霊体化を解き、乱れた髪を手櫛で解く。
「かるであ、カルデアか。」
外は一面の、雪というものだ。雪は見たことが生まれてこの方ない。死んでから見る、と言うのは変なものだ。
マスター、という主従関係におそらく私と藤丸立香はある。
複数の英霊と主従関係を結ぶとは、まるで一国の主だ。
「・・・チッ。」
しくじった、としか言いようがない。まさかサーヴァントの邪魔が入るとは。
マスターである立香の命令か？あの男をかばう理由でもあるのか。
それともただの博愛主義者か。
「生やさしい娘だ。」
庇うほどの価値があの男にあるわけがないだろう。
「あら、新入り？見たことないわね。」
ふと、前方から黒衣を身にまとった女がやってきていた。こちらも髪色などから異国のものだと判断する。
「ああ、今日召喚された者だ。」
「ふうん、日本人？」
「ああ。」
「落ち着いてるのね。日本人って皆ああなのかと思ってたわ・・・」
「ああ、とは？」
「精神的にぶっ壊れてたり、腹黒かったり、変に個性的だったり。あと愛が重かったりね。普通の奴、いるんじゃない。」
どうやらここにいる日本の英霊は相当変わり者が多いらしい、いや英霊になる時点で変わり者なのだろう。
勿論私も
「あなた名前は？」
「名を名乗るときは、そちらから名乗る。それが順序というものだ。」
「日本人って変なところで律儀なのよね・・・ジャンヌ・ダルク・オルタ、クラスはアヴェンジャーよ。これでいいでしょ？」
異国の女性、ジャンヌ・ダルク・オルタはクラスをアヴェンジャーと言った。私と同じクラスらしい。
「島原のアヴェンジャー、クラスはアヴェンジャーだ。」
「真名は明かさないのね。」
「事情がある。」
「ま、いいわ。頑張って腹黒神父を殺してちょうだい。」
「腹黒神父？」
「天草四郎のことよ。マスターから聞いたわ、宝具放とうとしたんでしょう？」
いたぶりたいならシミュレーターを勧めるわ、と丁寧にもジャンヌ・ダルク・オルタは教えてくれた。
私は一礼して再び霊体化する。
いたぶりたいなら、と言われたがいたぶりたいでは優しすぎる。
殺しても殺しても殺し足りない、あの男が憎く悪く怨めしい。
だが子供の前でか殺してしまうのはいささか気が滅入るというものだ。
それに、聞きたいこともある。
(・・・さて、どうしたものか。)
第二の人生を、私はどう過ごすべきだろうか。
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コッペリア - renaさん» ありがとうございます。一気よみ、割と時間がかかるのに読んでくださって本当にありがたいです。続編でもよろしくお願いします。 (2018年3月25日 12時) (
レス) id: afa478f1da (このIDを非表示/違反報告)
コッペリア - Mさん» なかなか更新できなくて申し訳ありません…そろそろ続編ですのでそちらの方もよろしくお願いします。 (2018年3月25日 12時) (レス) id: afa478f1da (このIDを非表示/違反報告)
コッペリア - あっぷるさん» ありがとうございます。続編が完結して余ったページで作る予定なのでちょっと時間がかかりますがよろしくお願いします。 (2018年3月25日 12時) (レス) id: afa478f1da (このIDを非表示/違反報告)
rena(プロフ) - とても面白くて一気に読ませていただきました！更新楽しみに待ってます！ (2018年3月24日 23時) (レス) id: 8104f6caff (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - 天草と夢主ちゃんがとても好きです^^*続き楽しみにしています。更新頑張ってください！ (2018年3月18日 21時) (レス) id: bf7dfd3d5f (このIDを非表示/違反報告)
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