39話 隠し事 ページ41
昨日訪れた食堂は、ご飯時なせいか賑わっていた。様々な古今東西の英霊が入り乱れ、江戸の町を思い出す。一度だけ母上に連れて行かれた其処は、酷く輝いていてーーー憎らしかった。
「はい、これ！」
空いていた席に座っていると目の前に料理が置かれた。
「席を間違えてないか？」
「違う違う！これ君の分。マスターが並んでるのに君が並んでなかったから、僕がエミヤに頼まれたんだ。」
ニカッと桜色の髪を揺らしながら少・・・どっちだろうか。少女にしては胸が小さいし、少年にしては男らしさがあまりない。
「島原のアヴェンジャーさんの分もあるから食べて食べて！」
と言いながら藤丸立香も目の前に座る。
「ありがとうアストルフォ。」
「どういたしまして！じゃあね、マスター！」
「うん、あとレイシフトメンバーに入ってるから忘れないようにねー！」
「はーい！」
レイシフトメンバー、というのが何なのかわからない。が何かの役職なのだろうか。
「マスター。」
「はい！何でしょう！」
「堅苦しくなくていい。」
私がそう言うと突然マスターは顔を抑えて蹲り始めた。
「え、おいマスター。」
「またか。」
「またやってんじゃねえかよ。」
すると周りからどこか呆れたような声が飛んだ。その声にマスターはいきなり顔を上げて反論する。
「だってこんな美人さんが、こんな美人さんが私を気遣ってくれるなんて！」
「へいへい。」
「モーさん冷たい、しかしまたそこがいい！」
「オタクちょっと落ち着きましょうか。」
「新たなカップリングがカルデアに！」
「なんですと！？マスター殿ぜひともお聞かせを！」
突如として周りが騒がしくなり、Tシャツに謎のキャラクター？が書かれた怪しげな男が近づいてきたり緑のマントの男がマスターをなだめたり、金髪の女がマスターを憐れみの目で見たりと忙しくなる。
(・・・来るのはやめよう。)
マスターには申し訳ないが、私は黙ってここを抜け出した。入り口を出て暫く歩いてみる。
行く宛もなく、ただフラフラと歩いていると何も考えていないせいか心が落ち着いてーーー何も考えていなかったから。
「っ！」
「あ。」
奴と鉢合わせした。
「おはようございます。」
どうして。どうして私は昨日殺そうとしたというのに奴はいつもの事だと言うように笑顔で挨拶なんてできるんだろう。
嗚呼、憎い。憎たらしい。
握りしめてばかりだな、と思いながらも相変わらず掌に力を込めた。
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コッペリア - renaさん» ありがとうございます。一気よみ、割と時間がかかるのに読んでくださって本当にありがたいです。続編でもよろしくお願いします。 (2018年3月25日 12時) (
レス) id: afa478f1da (このIDを非表示/違反報告)
コッペリア - Mさん» なかなか更新できなくて申し訳ありません…そろそろ続編ですのでそちらの方もよろしくお願いします。 (2018年3月25日 12時) (レス) id: afa478f1da (このIDを非表示/違反報告)
コッペリア - あっぷるさん» ありがとうございます。続編が完結して余ったページで作る予定なのでちょっと時間がかかりますがよろしくお願いします。 (2018年3月25日 12時) (レス) id: afa478f1da (このIDを非表示/違反報告)
rena(プロフ) - とても面白くて一気に読ませていただきました！更新楽しみに待ってます！ (2018年3月24日 23時) (レス) id: 8104f6caff (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - 天草と夢主ちゃんがとても好きです^^*続き楽しみにしています。更新頑張ってください！ (2018年3月18日 21時) (レス) id: bf7dfd3d5f (このIDを非表示/違反報告)
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