28話 天才と凡人 ページ30
「そろそろいいかな？」
気がつけば入り口に女がたっていた。茶色い髪に外国の服装をし、杖のようなものを持っている女だ。
「何だか長話をしているようだったから少し入りづらかったんだけどまあいいや。」
「すみません。」
「君は長話の件じゃなくて逃げたことを立香ちゃんに謝るといい。明日あたりに怒られるんじゃない？」
女は美しい微笑をたたえながら部屋に入る。女はこの混沌とした遊戯室のような部屋にピッタリとハマるように思えた。何となく、この部屋の主ではないかと私は推測する。
女は椅子に腰掛けて、にこやかに私を見る。
「初めまして、真名を言わないアヴェンジャーちゃん。私はレオナルド・ダヴィンチ、クラスはキャスターだ。気軽にダヴィンチちゃんと呼んでくれたまえ！」
レオナルド・ダヴィンチ、ということはやはり外国人のようだ。然し聞かない名であるため私には馴染みがない。
「っとまぁ自己紹介はここまでにしておこうか。君のことは立香ちゃんたちから聞いてるよ、彼と随分仲が悪いんだって？」
そう言ってレオナルドは天草四郎をちらりと見る。見られた彼は苦笑する。
「インド兄弟以来のカルデアで宝具を使いそうになったらしいじゃない。駄目だよ？カルデアには怒らせたらまずい王様とか女王とかいっぱいいるから。」
「藤丸立香や他の英霊に迷惑をかけるつもりは・・・」
「うん、うん。別に巻き込んでもいい精神の人じゃなくてよかったよ。とりあえず問題の異変について霊基を調べるからちょっと大人しくしてくれよー？」
そう言ってレオナルドは散らかった床から何かを取り出し、空中に浮く何かを確認しながら作業を始める。正直なところ私にはレオナルドが何をしているのか全く理解できないから眺めるだけだ。
「ああ、あと二人とも。この部屋には今結界をかけてるから私が許可しないと出られないようにしてある。逃げないようにね。」
「はい？」
「は？」
さらりと述べたレオナルドに私と天草四郎は反射的に聞き返す。出られない？
「だって君たち逃げるでしょ。それと宝具も撃てないようにしてある。というかここに来る時間がかかったのはロマニと結界の使用とかについて話してたからなんだよねー。あと立香ちゃんから報告を受けた時点で予めこの部屋に通信機を置いていってるから会話も丸聞こえ。」
空中に浮かぶ青色の画面を見ながら平然とレオナルドは答える。
その悪気の欠片もない行動に私は絶句した
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コッペリア - renaさん» ありがとうございます。一気よみ、割と時間がかかるのに読んでくださって本当にありがたいです。続編でもよろしくお願いします。 (2018年3月25日 12時) (
レス) id: afa478f1da (このIDを非表示/違反報告)
コッペリア - Mさん» なかなか更新できなくて申し訳ありません…そろそろ続編ですのでそちらの方もよろしくお願いします。 (2018年3月25日 12時) (レス) id: afa478f1da (このIDを非表示/違反報告)
コッペリア - あっぷるさん» ありがとうございます。続編が完結して余ったページで作る予定なのでちょっと時間がかかりますがよろしくお願いします。 (2018年3月25日 12時) (レス) id: afa478f1da (このIDを非表示/違反報告)
rena(プロフ) - とても面白くて一気に読ませていただきました！更新楽しみに待ってます！ (2018年3月24日 23時) (レス) id: 8104f6caff (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - 天草と夢主ちゃんがとても好きです^^*続き楽しみにしています。更新頑張ってください！ (2018年3月18日 21時) (レス) id: bf7dfd3d5f (このIDを非表示/違反報告)
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