【黒バス】ただの高２じゃないんですが、【男主】

兄弟みたいに (宮地) ページ1

｢…………｣



宮地｢……………｣



｢…………えー…………んー………どうしようか｣



"海もどき"は、箸を置いて額を押さえる



宮地｢………｣



うんうん唸って、覚悟を決めたかのように顔をあげて俺を見据えた



｢……他言無用ですからね？｣



宮地｢あぁ｣



無論、誰かに言いふらすつもりもない



｢"海"と"海の従兄弟"は同一人物ですよ｣



宮地｢……………は？｣



じゃあ、こいつは………



｢………俺の本名は"海棠A"です。霧崎第一高校２年で、花宮真と同じクラスです。経緯は忘れたんで話せませんが、"海"という名前でエーヴィ男優やってます｣



ただ、と"海もどき"……いや、"海棠"はそこで味噌汁を一口飲む



｢学校にばれたらヤバイんで、"海"の時はほくろとかタトゥーとかつけたりして、人に疑惑をかけられたら｢従兄弟だ｣って言ってました。それだけですよー｣



宮地｢………ふぅん｣



焼きうどんをすすり、咀嚼する



醤油の香ばしさが口に広がる



｢みゃー兄(ﾆｲ)は意外と反応薄いですね｣



宮地｢引き千切るぞ、その呼び方やめろ｣



｢怖ー｣



けらけらと笑いながら、海棠も食事を再開する



………………



宮地｢…………なぁ｣



｢何ですか？｣



宮地｢何かあったら言えよ？面倒事に巻き込まれたとか、変な輩に迫られたとかあったらさ……｣



｢………………｣



ポカンとした顔で見つめられ、はっと目をそらす



何言ってんだ、俺……



｢…………みゃー兄……｣



宮地｢だからその呼び方やめろって｣



｢今のはかなりキました、マジ男前ですねみゃー兄｣



宮地｢話を聞け、焼くぞ｣



｢聞いてますよ｣



目線を海棠に戻すと、にへにへと笑っていた



｢ありがとうございます｣



宮地｢！｣



｢さーて、ごちそうさまでしたー！洗濯物そろそろ終わってると思うんで見てきますね！｣



皿は置いといてください、と言って海棠はさっさと脱衣場に向かう



宮地｢………………｣



雨の音はもう収まっていた



.



.



.



乾燥機にかけてもらった自分の服に着替えて、海棠の家を出た



呼び方を"―――"に変えさせたのと、着ぐるみ姿の写真を撮られていたのは別の話



.



『 清 志 兄 』



.

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