Thirtysix 白の浴衣で背伸びして ページ37
「……花火大会？」
『この前、水着と一緒に浴衣も買ってくれたでしょ
あれも着たいし、花火も見に行きたいの』
「……いつ？」
『明後日！
屋台とかもあるんだよ、きっと楽しいよ！』
「まあ、君の浴衣姿が見れるならいいか」
…まさか、オーケーをもらえるとは思ってなかった。
この男めちゃくちゃ人だかり嫌いなのに。
『…無理してる？』
「うん」
『言うんかい』
「だけど、Aのおねだりは全部聞いてやろうと思ってさ」
『でも…』
私が遠慮の言葉を言おうとすれば、
髪の上からおでこにキスを落とされて。
何も言えなくなるじゃない、ばか。
「ボクの気が変わらないうちに
この話は終わっといた方がいいよ」
『ん、そうする』
髪をとかすように、よしよしと頭をなでられる。
まるで、“いい子だ”って言われてるみたいに。
『ね、ビール買いに行こうよ』
「えー暑いよ？ 外」
『ついでにおつまみと』
「全然聞いてないし…はいはい」
＊
―…2日後。
ヒソカとは2時間後に大会の会場で待ち合わせ。
化粧も終わって、鏡の前に立った。
『…うーん』
白に薄桃色の花。綺麗な浴衣。
…なのに、髪型だけが決まらなくて。
めかした服と顔に似合わず、
胸まである髪の毛がだらりとおろされている。
「…なに、今日花火大会なの？」
『わぁ！？ …って、イルミか』
いきなり、一人の部屋に響く低音。
見れば私の部屋の扉に体を預けて腕組みするイルミ。
『そうなんだけど…髪型だけ決まらなくてさ』
「…俺がやってあげようか？」
『え』
「一応、俺も髪の毛ならいじれるし」
そう言って、有無を言わさず座らされる。
櫛やら何やらを渡せば、美容師みたいに手際が良くって。
『イルミ男の人なのに…すごいね』
「俺自体髪が長いから。動くな」
『すいやせん』
適当な話を二人、していると
櫛を置く音と一緒にイルミの“出来た”の声。
『わあ…！ 可愛いっ』
「…急ぎだったから、激しく頭振っちゃ崩れるよ」
『うん、ありがとうイルミ！』
嬉しくなって思わず飛びつく。
すると私の髪型が崩れないようにか、いつもみたいに拒む事はしなくて。
「……わかったから、早くいけ」
『あ、時間やば！』
「忘れ物はない？」
『多分…あったら届けに来てよ』
「……はいはい」
…何だか今日のイルミはおかしい。
やけに素直なイルミを横目で見つつ、草履を履いた。
カラン…コロン
『行ってきます』
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おそらまめ@個人経営(プロフ) - れおなさん» うわあああ素敵なコメントを頂いて僕も嬉しい限りです…！また機会があればヒソカの新作作りたいと思ってるのでその時も是非お願いしますね！ (2017年12月14日 6時) (
レス) id: 0b0bec3b96 (このIDを非表示/違反報告)
れおな - 素晴らしいヒソカをありがとうございますほんとにもうわたしの好み理想どストライクなヒソカでしたおかげで明日も生きていけます本当にこんな素敵な作品を生み出してくださってありがとうございますうぅう(落ち着け) (2017年12月12日 19時) (レス) id: 3fff1d4b8d (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ＠大学生(プロフ) - みさん» もう最後はめちゃくちゃ詰め込みましたけれども…！ 最後までお読みいただきありがとうございました！！ (2016年11月6日 23時) (レス) id: b11d7f77c2 (このIDを非表示/違反報告)
み - なんだかんだ幸せな感じで終わってて面白かった！ (2016年10月17日 10時) (レス) id: 05c76846ea (このIDを非表示/違反報告)
おそらまめ＠大学生(プロフ) - hshshshsさん» わぁ…！ 何て嬉しい褒め言葉でしょうか…。ありがとうございます、更新頑張ります！ (2016年8月24日 7時) (レス) id: b11d7f77c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おそらまめ
| 作成日時：2016年2月1日 0時
