むすめん。と1人の女の子 (ページ44)

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三十七話ページ44

東野実央と柊。

私の友人、いや、親友。

でも、私達の関係は崩れた。

いや、

あの時から壊れ始めていたのかもしれない。

実央と柊は相思相愛だった。

でも、シャイな二人は告白をすることが出来ず、曖昧な関係だった。

そんな二人だが、柊が勇気を振り絞り、ダブルデートをしないかと誘ってきた。

女子は実央と私。男子は柊と同じクラスだった今井裕人。

ルックスは良いので女子から人気だ。

もちろん今井も柊と実央が相思相愛なことは知っていた。

なので途中から別行動ということで二人を尾行しようと話していて、私もその言葉を疑わなかった。

だが当日。

今井は尾行をしようとしなかった。

陽「どうしたんだ？」

今井に向かって聞くと、今井は

今「俺、お前が好き。お前も俺のこと好きだろ？なあ、なあ！！」

初めて今井に恐怖心を抱いた。

震える私の手を取り、

今「お前は東野と柊を応援するとか言う建前で俺と居たかったんだろ？なあ、答えろよ。そうだろ。」

どんどん私の手を掴む力が強くなっていき、顔をしかめてしまう。

陽「そんなわけ……な…いでしょ…」

痛みに堪えながら答える。

今「はあ？何冗談言ってんの？良い加減にしろよ。」

そう言って今井は手を振りかざした。

殴られるっーーー

柊「なにやってんだよ！！」

東「Aちゃん！！大丈夫！？」

そういって私の元へ駆けつけてくれた実央を今井は足をかけ転ばした。

東「痛っ！」

その時、柊は何か変わった。

柊「おい、俺の大切な人達に何をした？」

柊は柊では無くなった。

その時から柊は人格が変わった。

乱暴で、人を嫌うような人に。

実央も柊の人格を戻すことは出来なかった。

その後私は母の仕事でイギリスへ。

実央は親の転勤で引越した。

柊は悪い仲間とつるむように。

今井はどうなったのかも分からない。

私達はとうとう会うことさえなくなってしまった。

そんな二人が手を振っている。

早くおいでよ！！と実央。

僕、アイス食べたいなあと柊。

多分これは夢の中。

でも少しだけ

三人の思い出

三人の時間

楽しませてよ。

ねえ。