むすめん。と1人の女の子 (ページ42)

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三十五話ページ42

あおいside

カリカリ

ペンが紙を滑る。

あ「何してんの？」

思わずAに問いかける。

陽「皆の仕事整理とか、私はどう動けば良いか表にまとめて見たり。皆に支えられなくても、良いように。」

あ「へー。凄いね。」

陽「いえいえ。まだまだ慣れてない事ばかりだから。」

あ「高校入るの？」

陽「一ヶ月後くらいかな。」

Aはしっかりしてる。それに比べて俺は………

あ「ふーん。でも、ちゃんとしてるじゃん。俺がむしゃらにやっててそんな事考えた事もなくってさ。失敗ばっか。俺なんか踊り手やる必要あるのかなって。俺なんかが良いのかって。」

平静を装う。

Aはペンを止めた。

陽「……あおい君は凄いよ。」

あ「え？」

陽「小さい頃からずっと踊り手やってて、でも決して投げ出さなくて。……………あおい君は今までの事無駄に思ってるの？いらないって思ってるの？」

今までの思い出。苦しい事も楽しい事も。色々な経験をした今まで。

あ「そんなわけない。どれも大切。」

当たり前だ。

陽「じゃあ過去に失敗は無かった？」

そんなわけない。

あ「…………無くない。いっぱいある。」

陽「でも大切でさ。昔の動画と今の動画みたら全然違う。成長してる。失敗も成長の糧にあおい君はしてる。自分の失敗を分かってるからこそ、失敗は直せる。そんなあおい君を皆大好きなんだよ。皆必要としてる。なのにあおい君がいなくなったらどうするの？」

Aは、真っ直ぐ俺を見る。

そうだ。せっかく支えてくれる皆がいる。その頑張りを無駄にしちゃいけない。

あ「ありがとう。凄い元気でた。よし、じゃあゲームしよう！！」

Aはニヤリと笑った。

陽「負けませんよ！」

そう言って準備するA。

さっきの凛々しい表情には何か闇があるようで。

僕もいつか、君を支えられるかな。

いや、

なって見せる。