六度目の、 ページ8
貴方side
その数日後。
奇跡的に頭をバットで思いっきり殴られても軽傷で済んだ私は、児童養護施設へと送られた。
「新しい家族よ、仲良くしてね。」
「「はぁーい。」」
そう言われ、元気よく返事する子供の皆。
…いや、私本来ならば働かないと行けない歳でしてね、働きたいのですが…。
そんな私の切実な願いは、誰にも届かないのであった。
『…はぁ。』
思わずため息をついた時、背中をぽんぽんと叩かれた。
振り返ると、そこには五歳くらいの女の子が。
「あのね、私、
…なんてこったい。
あの歩美ちゃんにそっくりじゃなイカ。
『…うん、よろしくね!』
・
・
あれから数週間、この養護施設で過ごしてみたが、案外過ごしやすい。
ほぼ毎日遊んでばっかだし、思いのほか直ぐに馴染めた。
『よいしょ、っと!』
そして私は、今現在体力を付けるために木登りをしている。
私もあれから学習したのだよ。
事件が起きなかったんじゃなくて、遭遇しなかっただけ。
しかも、私は死神に魅入られてるんだから、何時どこで起きても対応出来るようにしないとね、はは。
そう考えながら、途中の枝で一休みしていると、二階の窓から話し声が聞こえた。
「ええ!優奈ちゃんが帰ってきてない!?」
「帰ってきてないけど…、一緒に買い物に行ったんじゃなかったの?」
「ちょっと目を離したら居なくなってたの!
勝手に居なくなるような子じゃないのに…。」
…oh…、デジャヴュ…。
早速事件かよ。
案外死神ってほんとに居るんじゃないの?
そう思い始めた今日この頃。
『お姉さん!それ、はぐれたって何処で見失ったの!?』
「え、Aちゃん?
どうやって来たの?そこ二階の窓よ?」
『いいから!』
木登りしてきたんだよ、なんかわりーかこんちくしょう。
「えっと、あの公園の真向かいにある郵便局前で…。」
『分かった、ありがとう!』
そう言い捨て、木の枝と枝を掴んで降りていく。
…え?猿みたいだって?
………しばくよ?←
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作者名:除草剤 x他2人 | 作成日時:2019年6月8日 9時