一度目の、 ページ3
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おぎゃあ、おぎゃあ。
赤ん坊の鳴き声が耳に入り、意識を取り戻す。
…うるさいなぁ、静かにしてよ。
て言うか、近くに赤ん坊が居る家なんてあったっけ。
…てかその前に。
私、確か、キッドの現場で発泡されて…。
…死んだ、?
いや、ちょっと待て。
だとしたら、この状況はどういう事だろうか。
赤ん坊の声が聞こえるんだけど。
…目が中々開かないな。
もっと力を込めないと駄目なのか?
よし、だったら…。
持っている精一杯の力で目を開ける。
そして、私の目に映ったのは。
目に涙を浮かべて、こちらを嬉しそうに見る女性だった。
…はい?
「おめでとうございます!
元気な女の子ですよ!」
「良かった…。
初めまして、お母さんよ。よろしくね…!」
…どうなってんだ、これ。
まてまて、ちょっと時間を下さい。
えっと、つまり。
この赤ん坊の鳴き声は、状況から察するに私のもので、
そんでもって私は、今さっき産まれたばかりの赤ん坊だ、と。
…いやいや、は?
これって、小説とかで良く見る、記憶を持ったまま転成するパティーンですか…。
そんで、私が死んだ事は確定、と。
…って、あほか。認められるかよ。
ふざけんなよごら。
あんのバ快斗、次会ったら一発かましてやる。
そうして固められた私の意志と共に、何故か前世の記憶を持った私の今世が始まった。
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作者名:除草剤 x他2人 | 作成日時:2019年6月8日 9時