十五度目の、 ページ17
貴方side
ホームから長いエスカレーターを下りると、今度は土産物屋や休憩処が立ち並ぶフロアに出た。
改装されたばかりか知らないけど、清潔感のある空間で、好感を持てた。
…けども。
欲を言うと、人が多過ぎる。
いやなんで?今日平日だよ??
あんたらヒマかよ。
そんな愚痴をあくまでも心の中で言いながら、私達は人の群れを抜けてやっと改札を出られた。
そして、出た瞬間にまず思ったこと。
…あ、ラーメンだ。
見渡せば、辺りはラーメン屋で囲まれていた。
…んん?誰だろうねぇ、さっき鼻が腐ってるとか言った奴は。
そんな思いを込めて、ジト目で快斗の方を見てやると、気まずそうにそっぽを向いた。
おい、こっち向けや。
『んで、どこに行くの?』
「学問の神様に会いに行くに決まってんだろ。
…だけど、その前に昼飯だなぁ。」
『さっき駅弁食べてたの誰だっけ。』
そこまで言うと、快斗は再び目を逸らした。今度は鼻歌付きで。
おい。
「よし、そんじゃラーメン食いに行くか!」
『その切り替えの速さは尊敬するよ。』
そんないつも通りの馬鹿なやり取りをしながら、私達はほぼ成り行きでラーメンを食べる事になった。
このバ快斗が。太ってキッドファンが減っても知らないぞ。
・
・
腹ごしらえを終えて、私達は暫く雑談をした後ににまた電車に乗った。
正直乗り物にはあまり強くないので新幹線では吐きそうになったが、
幸いにも目的地までは20分ほどで着いた為、何とか食べたてほやほやのラーメンを胃から出さずに済んだ。
その事にホッとして居ると、快斗が語り掛けてきた。
「そういや、ここの県って犯罪が多いらしいから、気を付けろよ。」
『国際犯罪者が何をほざいてるんだろうね。』
「俺は良いんだよ。」
『何が?』
そんなやり取りをしながら歩く。
ちなみに、今日の気温は32度。空は雲一つ無い快晴で、日の下に立っているだけで汗が滲んでくるような暑さだ。
…やば、子供だから余計に暑い。
ユニ○クロに寄らないとなぁ…。
…ん?○が仕事してないって?
それは私じゃなくて○に言ってくれないかな。
あーあ、また返済する分が増える…。
そんな事を考え、一人密かに気分を落とすわたしだった。
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作者名:除草剤 x他2人 | 作成日時:2019年6月8日 9時