With you again.【まじっく快斗･名探偵コナン】 (ページ14)

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十二度目の、ページ14

貴方side

「へー。俺まだ食ってねぇんだよ。
買いに行ってくるから少し待っててくれ」

これに関しては特に問題はないと思ったので、素直に頷く。

すると、快斗はにこりと笑って目的地まで歩き出した。

コンビニにでも行くのかな。
そんな私の思いは次の瞬間に見事に砕かれた。

快斗が着いた場所は、間違い無くお弁当屋だった。

…んん？

なに、贅沢でもしようってか？
いや、料理上手いんだから自分で作れよ。

それは料理が出来ない私への嫌味なのかな？？
ん？？

もちろん、それを見てなお大人しく待っている良い子の私じゃない。

『え、お兄さん駅弁買うの？』

すぐさま快斗を追い掛けてそう問う私。

「新幹線の中で食うんだよ。
おめーも買うか？」

『え、ちょ、まってまって。』

そう言いながら快斗のズボンの裾を掴んで弁当屋から引きずり出す私。

傍から見たらシュールな光景なんだろうなぁ、と思った。

レジのおばあちゃんから微笑ましいものを見るような視線を浴びながら、改めて快斗を見上げる。

すると、快斗は驚いた顔をしていたもんだから、逆に驚かされる。

…てか、なんでコイツこんな上から目線なんだよ。
物理的に。物理的に！←

『それはこっちの表情なんだけどなぁ、あれれ？』

「急にどうしたんだよ。」

『新幹線？駅弁？
ちゃんと説明してよ。子供を誘拐しておいて何処に行くつもり？』

「だから、電車で遠出だよ。言ってなかったっけか？」

『言ってたらこんな事わざわざ聞くまで記憶力は退化して無いって。てか、は？電車って新幹線？

遠出って、何処まで行く気なの？』

そう聞くと、快斗ははっとした顔をして、笑いを堪えながらポケットの中から二枚のチケットを取り出した。

…は？チケット？
てかなんで笑ってんだこいつ。

だめだ、疑問が多すぎて頭がまとまらない。

『…えっと、これは一体なんの冗談なのでしょうか。てかなんで笑ってんだよ。』

「いやだっておめー、演技すんの忘れてんだろ…」

ぷくく、と笑いを堪えながらそう言い捨てる快斗。

…いっそ笑え。大声で笑え。
そっちの方がスッキリする。

そう思いながら悟りを開き始めようとしていると、今度こそ快斗が大声で笑い出した。

『なんだよいっそ殺せ。』

「おま、顔…、ハイライトが入ってねえ…」

ヒーヒーと近くにあった机をバンバン叩きながら大笑いをする快斗。

…いっそ殺せ。←

こうして、気障な野郎と私の旅行が始まったのだった。