156羽 ページ25
その後、烏養から澤村に特に異常は無かったことを聞かされた。
少し安堵した様子を見せたのはいつものレギュラーたちだけで、縁下は心のそこからは安堵仕切れていないように見えた。
プレッシャーと不安……だろうか。何かに押しつぶされそうな苦い表情でうつむいていた。
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二セット目。烏野は一気に失速した。
24対20で負けている。相手のセットポイントだった。
そこを和久南の主将がブロックアウトをばっちり決めて、25対20。つまり一セットを取られた。
次のセットを取ったチームが次の舞台へ進めるのである。
三セット目開始。
まず先制点は向こうの主将のラインギリギリのストレートへのスパイクだった。
「(くっそ上手い……)」
それから相手のサーブ。
しかしそれはネットに当たって、ギリギリで烏野のコートへ入ってきた。
影山がぎりぎりでそれを拾って、田中がアンダーのトスを日向に出す。
「(ブロックアウト……ねらう!)」
日向はそのつもりであったが、日向が指先に当てようと上に打ったスパイクはブロッカーの指に当たることなくホームランになって壁際に落ちた。いわずもがなアウトだ。
そしてまた相手のサーブからゲームが始まる。
それを烏野はつないで、東峰がスパイクを打った。……が、相手の真正面に飛んだそのスパイクは簡単にレシーブされてしまう。
トスが主将の男に上がる。
日向の手を的にしてブロックアウトを狙って打たれたボールは、ベンチ側に吹き飛んだ。
――しかし、日向は着地と同時に走ってボールを追いかける。
「あぶねぇ!」
とっさに烏養が武田が座っていることも忘れてベンチを持ち上げる……だが、日向がそれにぶつかることは無かった。
東京遠征では毎回のように顔をこすっていたフライングレシーブを綺麗に決めたのだ。
そしてすぐに起き上がって、また走る。
影山のトスが日向に渡されて、それを日向が打った。
スパイクは見事に決まって、「っしゃああ!!」という影山と日向の声が響いた。
・
6対6、とまたギリギリの点で競っていた。
和久南のスパイカーがフェイントに切り替える。それを目で早々に捉えた縁下。
――ただ、早く捉えることが出来たのは目で。
体が動いたのは気づいてから1,5秒ほど後だった。
なんとかそのフェイントのスパイクを拾って、西谷から東峰につながれる。
しかし、東峰が打ったスパイクはアウトになった。
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もち - 初コメ失礼します。あの、セットポイントとマッチポイントの違いはご存知ですか?所々間違っています。凄腕マネという設定なら、そういうのはキチンとされた方が良いのでは…? (2020年8月9日 13時) (レス) id: 9c382bbadc (このIDを非表示/違反報告)
美衣(プロフ) - 135話で、角川の長身選手の身長が1ヶ所だけ間違えて書いてあります。 (2019年8月24日 11時) (レス) id: 17d30bab42 (このIDを非表示/違反報告)
魂祐 - 黄金川が正しいです (2017年6月6日 11時) (レス) id: f41f51613c (このIDを非表示/違反報告)
rina(プロフ) - 面白いです!155羽はどこに行ったんですか? (2017年1月27日 23時) (レス) id: b2365399a8 (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔 - 雪氷さん» 楽しみに……!ありがとうございます!光栄でござる(*´`)← 好きと言ってもらえて嬉しいです!投票もコメントもありがとうございます!! (2016年8月9日 23時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤兎リエ輔 | 作者ホームページ:http://nekomoti
作成日時:2016年8月4日 4時