170羽 ページ39
また山口のサーブから始まる試合。
TOあけではあるが、その落ち着いた様子に変わりは無い。
深呼吸をしてボールをあげる……そして、打つ――。
ネットに一度当たったボールは、平面のネットを伝うように……それほどぎりぎりでまた青城のコートに落ちた。
「ネットイン!!」
この山口のサーブによって――23対23。同点だ。
・
5度目の山口のサーブ。
打たれたボールは岩泉に飛んでいき、しっかりと拾われた。
スパイクが打たれる。……が、しっかり月島がそれにワンタッチを取る。
「東峰さん!」
影山がアンダーでのトスを東峰に上げた。
青城で一番高い三枚ブロック。
つきぬくつもりでスパイクを打つ東峰。が、それは及川のブロックによって阻まれた。
「アーウトッ!!」
レシーブしようと出した手を引っ込める田中。
ブロックアウトを取り、烏野に点が入る。
――逆転、そしてマッチポイントだ。
エンドラインに立つ山口。もうサーブは6度目になる。この試合で一番長くサーブ権を保っている。
――あげて、打つ。
手ごたえはよかった。ただ、しかし
「俺がとぉぉぉる!!」
青城のリベロも、甘くは無い。
拾われたボールは及川に帰り、岩泉のバックアタック。
山口はレシーブしきれずに、青城に点を許してしまった。
――長く続いた山口のサーブ権がここで途切れ、さらにブレイクされた。
・
花巻のサーブから始まる。
気合のこもった瞳をした澤村。そのサーブを綺麗に安定して帰して見せた。
影山が東峰あげる。東峰はブロックを吹っ飛ばして点を決めた。
25対24。また烏野のマッチポイントが再びやってくる。
――が、それもすぐにブレイクされた。
点の取りあいが続く。
26対26のとき。次の一本が大きいという曲面で
――及川のサーブのターンが回ってきた。
怖がることなく強打を打つ及川。
そのサーブに西谷は反応さえできたものの、腕に当てたボールは二回の手すりにぶつかった。
「っしゃああああああ!!」
青城の歓喜の声で会場が埋まる。
27対26。ここで青城のマッチポイントだ。
さらに及川のサーブ権は継続。
「(このセット、取りたいところだけど……。)」
及川の全力のサーブが放たれた――。
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もち - 初コメ失礼します。あの、セットポイントとマッチポイントの違いはご存知ですか?所々間違っています。凄腕マネという設定なら、そういうのはキチンとされた方が良いのでは…? (2020年8月9日 13時) (レス) id: 9c382bbadc (このIDを非表示/違反報告)
美衣(プロフ) - 135話で、角川の長身選手の身長が1ヶ所だけ間違えて書いてあります。 (2019年8月24日 11時) (レス) id: 17d30bab42 (このIDを非表示/違反報告)
魂祐 - 黄金川が正しいです (2017年6月6日 11時) (レス) id: f41f51613c (このIDを非表示/違反報告)
rina(プロフ) - 面白いです!155羽はどこに行ったんですか? (2017年1月27日 23時) (レス) id: b2365399a8 (このIDを非表示/違反報告)
赤兎リエ輔 - 雪氷さん» 楽しみに……!ありがとうございます!光栄でござる(*´`)← 好きと言ってもらえて嬉しいです!投票もコメントもありがとうございます!! (2016年8月9日 23時) (レス) id: 9a5c590feb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:赤兎リエ輔 | 作者ホームページ:http://nekomoti
作成日時:2016年8月4日 4時