【ハイキュー！！】白鳥から烏へ ＜part４＞

１６２羽 ページ31

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「主将。」という審判の声で主将である澤村と及川が握手を交わす。コイントスで決まる攻守の順番。コインは烏野側に向き、澤村がレシーブを宣言した。

コートを隔ててお互いのコートのエンドラインにたった選手達。皆、その顔には緊張がうかがえる。



「お願いシャース！！」
「お願いシャース！！」



――春高予選準決勝、青葉城西対烏野の試合が始まった。



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「澤村さん。西谷さん。……初っ端の及川さんのサーブ、絶対拾って欲しいんです。流れを持っていかれたくない。無理を承知で言います、1本できってください。」
「あぁ、勿論だ。」
「任せとけ！！」



そう頼んだのが、試合が始まる直前。そして頼んだのは間違いでなかったことも、無理を承知なんて杞憂だったことも理解して、Aはボールを見上げて笑った。

及川の1本目のサーブは、今まさに澤村によってレシーブされた。


だがネットを越えるチャンスボール。日向と金田一が飛びつき、金田一がそれを叩く。咄嗟に出た腕で影山が片手で拾った。セッターである影山がファーストタッチ。青城は速攻は来ないと読む。

しかしそれは、IH予選までの烏野の話だ。



西谷がバックラインで踏み切ってトスのモーションに入る。記念すべき1発目のスパイク、上げる先は勿論。



「(景気づけに頼みます、エース。)」



東峰が西谷のトスを受けて、バックアタックを決めた。



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サービスのターンを1本できり、影山のサーブ。いつも通りのジャンプサーブ、コースはサイドラインギリギリ。しかし僅かにその線を越え、アウトと判定された。

サーブが青城に移る。所定の位置でサーブ前のルーティーンを行うのはエースである岩泉だった。彼もまた強烈なサーブを打つビッグサーバー。ここも早く切っておきたいところ。


緊張が走る中、岩泉がサーブを打った。激しい音を立てたそのサーブは東峰の元へ飛んでいき、なんとか東峰はそれを上げた。しかし乱される。



「すまん影山！！」
「叩け国見！！」



先にボールに到達したのは影山で、影山は片手でほとんどその打点のままのトスを上げ、田中がそれを打った。まさかあの状態からセットをするとは。強気なそのプレーにAは思わず圧倒されたように笑った。


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その後も点の取り合いが続く。

月島のブロックで1点リードした烏野。このローテーションで西谷がコートから出て、日向が前衛に入る。



「(ここらで一発、決めてもらいたいところだけど……。)」

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