過保護化の悪化 ページ38
『んん!!!んんんん!』
私は力を振り絞り、全力で兄を呼びかける
兄は私の声に気づいたのか、私の名前を呼びながら私の方へ走ってきた
「…A……、…え…?」
兄は私と襲ってきた人を交互に見つめる。
襲ってきた人は兄の存在に気づき、慌てて逃げようとするが
「……」
兄に勢いよく腕を掴まれ、ミシミシと骨がなり
やがて……骨が折れた音が響いた
その後に男の人のか細い、苦しそうな悲鳴が鳴り響く
私はあまりにもスピード感がある衝撃的な出来事に、ただ呆然としていた
「…人の妹に勝手になにしているんだい?」
私を襲ってきた人は折れた腕をずっと兄に掴まれたまま、苦しそうに泣き叫んでいる
「……俺のAに、二度と触るな。」
そう吐き捨て、兄は男の人を離した
男の人は、腕を折られた挙句ずっとその腕を掴まれてたため痛みのあまり気絶していた
「A…っ!!」
『お、おにいちゃん…』
私は兄に抱きつかれた途端、安心感のあまりまた、涙が出てきた
「ごめんね、もっと早く気づいていれば…」
『こ、こわ…かった…』
「うん、ごめんね…A、俺がもっと、ちゃんとしていればよかったよね…」
そう言いながら、私より号泣している兄
『お兄ちゃんは悪くないよ。こんな時間まで外にいてごめんなさい…』
「その話はまた後でしよう。とりあえず、警察を呼んで早く帰ろう」
私の涙を手で拭い、兄はスマホを取り出した
しばらくして警察が到着し、兄が全ての事情を話して、私を襲ってきた男の人は気絶したままパトカーに乗せられていった。
…うん、本当に、すごかったな、いろいろ。
「帰ろうか、A」
『うん…』
「…ねぇ、A」
『え、なに…っ……ん!?』
兄が突然、私を抱きしめ、唇を合わせてきた
「よかった、Aが無事で…」
抱きしめられる力が強くて、息がしづらい。助けてくれたのはありがたいけど、疑問がある。
『いや、キスする意味あった?』
兄は私から一度離れ、私の肩に手を置き、まっすぐ見つめた
「しばらく、一人で外出するの禁止だからね?また、こんなふうになってしまったら僕…」
『…うん……わかってる』
流石に今回に関しては本当に怖かった。
永遠のトラウマかもしれない。
「さ、帰ろうか」
『うん』
私達は手を繋いで帰った
こうして、兄は、前よりずっとずっと私に対して過保護になるのであった。
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みくたみ(プロフ) - 雑魚ゲーマーA@リア充嫉妬民さん» まあ!ありがとうございます☺️✨嬉しいです! (2022年11月21日 1時) (レス) id: 716d59821e (このIDを非表示/違反報告)
みくたみ(プロフ) - ミルクさん» ありがとうございます✨続編の方でもどうぞよろしくお願いしますね💕 (2022年11月21日 1時) (レス) id: 716d59821e (このIDを非表示/違反報告)
雑魚ゲーマーA@リア充嫉妬民(プロフ) - 続編!?絶対に見ます!めっちゃ好きです(( (2022年11月21日 0時) (レス) id: 8f173b4b3f (このIDを非表示/違反報告)
ミルク(プロフ) - 続編おめでとうございます!面白くて見るたんびに笑顔になってます!続編も楽しみにしてますl (2022年11月21日 0時) (レス) @page39 id: d6f8a4c568 (このIDを非表示/違反報告)
みくたみ(プロフ) - @-Nene-さん» 私は雫さんしかピックアップ来てくれませんでした😭😭うううう……頑張りましょう…😭 (2022年10月6日 22時) (レス) id: 716d59821e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みくたみ | 作成日時:2022年4月28日 18時