兄の溺愛っぷりが異常な件__2

激怒 ページ19

「"ラブリー！フェアリー！桃井〜？"」

『愛莉〜っ！！』

配信越しの愛莉ちゃんの合図に合わせ、私は桃井ポーズをキメる

やっぱり、このポーズが大好きだ。キラキラしてて、可愛くて…本当に愛莉ちゃんにぴったりの挨拶だ。

今見てる配信はダンス配信。

…私も、久々に……ダンス、しようかな。


「"みんなも、是非一緒に踊ってみてちょうだいね"」

「"ふふっ、それじゃあ……ミュージック、スタート"」


はっ……！は、始まっちゃった！！

私は愛莉ちゃんの動きを見て、なるべくそれっぽく真似る
こう見えて、ダンスは割と得意だ。

初めてやるダンスでも、振り付けを見ながらなんとか…感覚で踊れる

愛莉ちゃん……かわいい！！！

内心推しの可愛さに悶えつつ、なんとか踊り切った

『も、モアモア！！ジャンプ！！』


『はぁ……ふふ……なんか、愛莉ちゃんに一歩近づけた気がする』


そうだ……桃井ポーズ……



『ら…ラブリー！！フェアリー！！桃井ー…愛莉〜っ！！』

「ただいま。」


ポーズをキメたその次の瞬間。兄が入ってきた。勝手にだ。

手には合鍵らしきものが握られている

「フフ……ノック、何度もしたのだけれど……随分とダンスに熱中してたみたいだったね」

『……い、い……いつから、見てたの…？』

「うーん……ダンスを始めた辺りかな。」


私はそれを聞いて、ドーンと頭に重い何かが乗ったような感覚になった

……やっば…終わったやん……


「それにしても……本当にかわいかったなぁ……はぁ…録画したかったのだけれど…生憎充電がなくなってしまって……お兄ちゃん悲しいよ……と、いうことで…」


兄はずいっと私と距離を縮める。

そして、私を抱き寄せ、耳に口をくっつけた


「お兄ちゃんのために……後でもう一度踊ってね？僕だけの、かわいいかわいいアイドルさん♡」


『……』


「あ、そうだ。桃井ポーズ……？とやらも、もちろんやってね」


『？？？？？』


私は激怒した。なぜアンタに向けてやらないとダメなんだよ。この野郎。


………………………………


桃井ポーズを見られるAちゃん、アイドル新鋭隊を踊っているのを見られるAちゃんでした！！

二つのリクエストを繋げてしまって申し訳ないです……

リクエストありがとうございました！！

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