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アナウンサー「白い服の青年が持つカメラで撮影された人達は、あの中に閉じ込められてしまうようです。スノーマンの居ないスノーポリス…それは、ひとつの歴史が終わる瞬間でもあります…」
ジンガが手にした切れ味の良さそうなシルバーのハサミは、ギンセツピンクが写る写真にあてがわれた。
ジンガ「まずはピンクから。」
モル「残りの5人、ちゃんと見ててね。」
5人が写った写真をピンクの写真と向かい合わせる形に持つ。長い前髪から覗く瞳は不自然に笑っていた。
写真の中
ダイスケ「俺死ぬの?!嫌だよ…まだ見てないアニメあるのに…嫁も家で待ってるし…無理だって…死にたくない…!!」
写真にハサミが入り始めたのか、みるみるうちにダイスケが居るコンサート会場は地震が来たかのように揺れ、天井から崩れ落ちていく。頑丈な椅子の下に頭を隠し、身体をダンゴムシのように丸めた。一方で、5人が居る写真の中にも、ジンガやマオの声が響き渡る。
タツヤ「ダイスケ!」
ショウタ「これで、本当に終わりだ…今までありがとな…」
リョウタ「信じたくないが…別れの時か…」
ヒカル「生まれ変わったら、怖がりじゃなくなるかな…」
リョウヘイ「…んー…何の騒ぎ…?」
ヒカル「リョウヘイ?!」
タツヤ「大丈夫?」
リョウヘイ「ふわぁ…よく寝た…」
ショウタ「寝てたのかテメエ!!」
リョウタ「おはよう、リョウヘイ。」
リョウヘイ「めっちゃ頭スッキリした。」
ショウタ「じゃあ、その冴えた頭で今の状況どうにかしてくれ。」
タツヤ「今、俺達は多分、広場に居るはずなんだ。人もたくさん居そう。」
ヒカル「あと、玉雪がビークルを動かしてくれてる。」
リョウヘイ「…モールス信号。」
ショウタ「は?」
リョウヘイ「軍事や漁船で使用される通信手段。だから、スノーポリスで使ってる人は殆ど居ない思う…通じる人居るかな…」
ショウタ「それじゃあ意味ないだろ!!どうすんだよ!!」
ヒカル「いや、少ない確率に掛けよう。」
タツヤ「最初で最後のチャンスだ。」
リョウタ「可能性を信じよう。任せたよ、リョウヘイ。」
ショウタ「これでダメなら、俺達もお陀仏ってわけか。…覚悟は出来てるよ。」
舞台袖にある照明を引っ張り出してきたリョウヘイは天井に向けて、一定の周期で照明を点滅させた。
リョウヘイ「…頼む!誰か気づいて!!」
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作者名:アドク | 作成日時:2020年9月14日 10時