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雪氷発電所 医務室
タツヤ「リョウヘイ!!」
リョウヘイ「タツヤ、来てくれたんだね。」
医務室のベッドにいたのはリョウヘイではなく、後輩の職員。傷だらけの顔で横になっている。
タツヤ「リョウヘイは無事だったのか。」
リョウヘイ「うん。彼、俺が少し採取ポイントから離れた時に怪我をしたんだよね…」
医師「雪氷コアの採取で、こんな怪我をするなんてふつうはあり得ない。」
リョウヘイ「俺の管理不行き届きだよ…始末書ものかな?」
タツヤ「心配しなくてもいい、大丈夫。」
後輩「赤い風船…」
リョウヘイ「え?」
後輩「赤い風船が怪物になって、巨大な蛇になった…5mはあった…あれは、化け物だ…」
リョウヘイ「まさか…」
医師「ここ最近現れる、謎の怪物の仲間…?」
リョウヘイ「断定はできないです。」
医師「2人も警戒しておいた方が良い。所長には僕が伝えておくから。」
タツヤ「分かりました。所内全体へは俺から告知しておきます。」
ビルの地下室
ジンガ「人が怖がる姿、こんなにも見るのが楽しいなんて思わなかったよ、ドロモス。どんなホラー映画よりも面白いし、ドキドキする!」
ドロモス「本物の恐怖こそ究極の贅沢品なのさ!いっひひひ!」
ジンガ「泣き叫ぶ声はエネルギーを増幅させる。片っ端から恐怖を集めて来てよ。あとは煮るなり焼くなり好きにしていいから。」
ドロモス「美味しい恐怖を、もっと頂こう〜!」
赤い風船を持ったピエロの怪物が上機嫌な様子で部屋を出て行った。
ジェイド「ジンガ、素晴らしいディスドールを開発したな。」
ジンガ「はい、自信作です。」
ジェイド「スノーマンのレーダーに反応しないディスドールを作り出した君は優秀だよ。」
雪氷発電所 中央制御室 16時
ショウタ「リョウヘイ、大丈夫だった?」
タツヤ「アイツは大丈夫。ただ、リョウヘイの後輩が蛇にやられたそうだ。」
ショウタ「蛇?!動物園から逃げてきたのかな…」
タツヤ「でも、おかしいんだよ。赤い風船がどうとかって言っててさ。」
ショウタ「赤い風船…毒が回って幻覚でも見てるのか?!」
タツヤ「産業医はディスドールの事を疑ってた。でも正直それだけでは決められない。」
いそいそと総務部のデスクにあるマイクのスイッチを入れて一度咳払いをする。
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作者名:アドク | 作成日時:2020年9月6日 21時