- ページ9
翌春
京明学園中学校
十輝「(あれ…?鉄道研究会がない…)」
部活紹介の冊子を眺めていた十輝は、リストを見て愕然とする。
碧「ねえ、部活決めた?」
十輝「まだ決めてない…」
向一朗「十輝くん、元気ないね。どうしたの?」
十輝「鉄道研究会、載ってないんだ…」
向一朗「僕達が入学する前に廃部になったって聞いたよ。部員が減っちゃったみたいで。」
十輝「僕、鉄道研究会があるって聞いたから、この学校選んだのに…」
碧「確か、部を立ち上げるのも、先生たちの審査が必要だよね。しかも結構厳しいって…」
向一朗「他に気になる部活は無いの?」
十輝「ダンス部…かな…?」
碧「俺もダンス部行こうと思ってたんだ!」
向一朗「僕も着いてく!みんなで行こ!」
十輝「うん。」
碧「行こうぜ行こうぜ!」
盛り上がる碧と向一朗の後ろを、少し落ち込んだ様子で着いていく。
廃線駅
薄暗く寂れたホームには、モニターや難しそうな機械、この場に似つかわしくない高級な革張りソファやテーブル、そして周りには食い散らかしたお菓子やファストフードのゴミが転がっていた。
キハ「おい、スロフさんよ〜なんか面白い事ないの?右腕が疼いて仕方ねえわけ。」
メカニックな義手をランプシェードのオレンジ色の光に翳し、うっとりした表情で眺める。
スロフ「あのなあ…その前に、ここをもう少し綺麗に使うことはできないのか?」
革張りの回転椅子に腰掛け、立派な執務机に向かっている彼が大きなため息をついた。
トラ「るっせーな。」
スナック菓子を貪りながら悪態をつく。
スロフ「お里が知れるよ…ったく…」
キハ「ああ?」
スロフ「その態度、気に入らないなあ。」
トラ「ギフテッドだか、アンデッドだか知らねえけど、エラそうな口叩くな!テメエにその言葉そっくりそのまま返すぞ。」
スロフ「ふーん…お前ら、脳みそ吹っ飛ばされたいか?僕にはそれが簡単にできるんだよ。いいの?」
キハ「やれるもんならやってみろ。」
スロフ「本当にやるからな。言い残すことはあるか?」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 15人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：アドク | 作成日時：2023年7月30日 22時
