鉄道戦士ディバインエクスプレス -1- (ページ8)

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立樹兄「危ない!」

火の玉は立樹目がけて飛んできたので、兄は立樹の盾になるように覆いかぶさった。

立樹兄「うわぁぁぁ…」

爆発を起こし、勢いよく炎が上がる。

立樹「お兄ちゃん!!」

下に伏せていた立樹が顔を上げると、両親と兄が近くに倒れていた。

立樹「お父さん!!…お母さん!!…」

両親と兄は身体中に痛々しい火傷を負い、苦しそうに呻く。

立樹「大丈夫?!」

立樹母「…ううっ…」

ガラス片で母の身体は傷だらけになっていた。

立樹「そんな…お母さん…ダメだよ…」

立樹父「…」

父は意識が混濁しており、応答しない。

立樹「お父さん、しっかりして!」

立樹兄「お前だけでも…逃げろ…」

立樹「嫌だ!お兄ちゃん…今助けるから…」

立樹兄「立樹、絶対にお前は将来スターになる…主演俳優になって…夢だった帝国劇場のゼロ番に…立つんだぞ…」

立樹「見届けてよ…」

立樹兄「だから、これからを…大切に…生きて……」

握っていた手は力が抜ける。

立樹「お兄ちゃん…お兄ちゃん、目開けて!!………うわあああああ…!!」

帝国鉄道東京駅舎

アナウンサー『速報です。銀座で大規模火災が発生しました。消防によりますと、現在この火災による死者は100人ほど確認されており…』

駅舎の片隅にある一室で、5人の青年はテレビに釘付けになっていた。瓦礫が積み上がり、開けた通りに置かれた遺体には、ブルーシートがかけられている。

中山「大変な事になったな…この様子やと、被害者はもっと増える可能性がある。」

健人「ああ、これは由々しき事態だよ。」

末澤「やっぱり対抗出来るわけないねん。あんなにデカいデスメトロ。初めてやで。」

原「力の差がありすぎるよなあ。」

奥村「アフターケアも必要ですね。」

中山「そうやな。」

健人「計画の練り直しだ。」

末澤「どないします?」

原「直ちに手を打つ必要がある。」

奥村「まあ皆さん、まずは座りましょう。こういう時こそ冷静に。」

奥村が5人分のホットコーヒーを運び、円卓に並べた。