Track No.1 出発進行!ハピネストレイン エクスプレスグリーン ページ6
山梨県 新型高速鉄道研究所
夏休みの研究所には、たくさんの子供たちとその親たちが新型高速鉄道の見学会のために集まっていた。
研究員「皆さん、これから目の前の線路を試験車両FR-X1が走行します。最高時速は650kmです。」
十輝「おにいさん!」
研究員「どうしたの?」
十輝「僕ね、おにいさんに聞きたいことがあるの。」
研究員「君、名前は?」
十輝「小山十輝!」
研究員「十輝くん、元気が良いね。どんな質問?」
十輝「FR-X1は、帝鉄より早い?」
研究員「いい質問だね。東京から博多で走行している帝鉄特急の最高時速は300km、それに対して今回のFR-X1は650km。同じ場所から一緒に出発しても、FR-X1の方が速くゴールに着く計算です。」
可愛らしいイラストを用い、研究員は子供たちに分かるように説明すると、十輝は瞳を輝かせて食い入るように聞いていた。
十輝父「凄いね、速いね!」
十輝「速い!!」
研究員「準備ができたみたいです。間もなくこちらにFR-X1が通ります。線路に注目してください。」
研究員のアナウンスの後すぐに、目の前の線路を銀色の車体に緑色のラインが入った流線形の美しい電車が駆け抜けていった。
十輝「わああ…もう行っちゃった…」
研究員「ほんの一瞬で通り過ぎて行ったことが分かったと思います。この車両が実用化されると、今までよりもずっと速く目的地に行くことができるようになります。」
十輝「はい!」
研究員「質問かな?どうぞ!」
十輝「電車はいつできるの?」
研究員「そうだねえ…まだ、はっきりと決まっていないけれど、十輝くんが大人になる頃に誰でも乗れるように、みんなで頑張っているところです。」
十輝「おにいさんも、頑張ってね!」
研究員「ありがとう。十輝くんも、この電車が出来たら乗りに来てね。」
十輝「うん!!」
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作者名：アドク | 作成日時：2023年7月30日 22時
