鉄道戦士ディバインエクスプレス -1- (ページ13)

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健人「僕にも責任があった。済まない。」

末澤「俺ら、帝鉄クビや…終わったわ…」

奥村「ちょっと待ってください。まずは落ち着きましょう。」

末澤「奥村、お前落ち着けしか言わんなあ?!この状況で落ち着いてられるか!!」

原「記憶を辿ろう。いつまでヴェルカを持ってた?」

中山「社長室出た時は絶対持っててん。」

末澤「チェンジャーをケースに入れてたのは見てたで。社長室に置いてきたんとちゃうの?」

中山「置いてきてないと思う。」

奥村「そういえば…ヴェルカをポケットに入れてるの、僕見ました。」

末澤「何でそれ最初に言わんねんアホ。」

奥村「そんなこと言われても…今思い出したんですよ。」

中山「もしかしたら、4番線のホームを通った時かもしれん…探しに行ってくるわ。」

金属のアタッシュケースを持って、部屋を出た。

東京駅

アナウンス『東京、東京。ご乗車ありがとうございました。』

十輝は東京駅で降り、母に頼まれていたお菓子を買いに東京駅地下街へと向かおうとした。

十輝「ん…?」

駅のホームの片隅に落ちていた緑色に光る何かを見つけたので近寄ってみると、そこには交通系ICカードが落ちていた。中央には翼モチーフのあるエンブレム、右下には“VERCA”の文字が刻印された物で無記名のタイプ。

十輝「ヴェルカ…?(どこのICカードだろう…)」

鉄道マニアの十輝ならば、マークの一部を見るだけで、どこの地域で発行されたICカードか分かるが、これは見たことのないICカードであった。駅員室へカードを届けにいこうと思った矢先、駅のホームには警報音が鳴り響いた。

十輝「え?!何この電車?」

ホーム後方にいた利用客が不審な電車が乗り入れてくるのを先に目撃していたらしい。彼の目の前には黒く大きな列車が停車した。禍々しい雰囲気のそれに、周りの客もザワつく。

キハ「壊し甲斐がありそうだなあ。」

真っ赤な義手をつけた男が列車から現れた。

十輝「何かを放出してる…」

列車の先頭にあるフロントグリルのようなものから、大量の黒い粒子が放たれていた。