鉄道戦士ディバインエクスプレス -1- (ページ12)

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キーを叩くと、目の前のホームには漆黒で物々しい電車がやってきた。

トラ・ワム「わああああ!!」

案の定おとぼけ2人は身を寄せあい、目をまん丸に見開いている。

キハ「へえ、なかなかのもん作るじゃん。さすが元研究員さん。」

サロ「驚いたな。」

スロフ「その名も"デストレイン"。サロのおかげで良いものが出来たよ。」

マヤ「ベースの車両を基に、自動運転と転送機能を兼ね備えてる。」

扉が静かに開く。黒を基調にした車内に革張りのシートが設置されている。

ワム「この椅子、座り心地最高!」

真新しいシートに腰掛け、キャッキャしているワム。

キハ「そうとなれば早速出発だ!」

サロ「マヤ、先ずはお前が運転しろ。」

トラ「試験走行といこうじゃねえか。」

マヤ「スロフ…俺で良いのか?」

スロフ「設計をしたのは君だろ?当然じゃないか。それに…たっぷりと”アレ”は仕込んである。」

マヤ「分かった。…行くぞ。」

キハ「ゾクゾクするぜ。」

帝国鉄道東京駅舎

末澤「はあ?!ヴェルカを無くした?!」

現在進めている仕事の進捗を社長に報告し、5人は東京駅から少し離れたオフィスビルにある帝国鉄道株式会社から戻ったところであった。

ティンク「?!」

中山のペットのトイプードル、ティンクが末澤の声に驚き、飼い主の足元にくっついた。

中山「どこ探しても無いねん…どないしよう…」

末澤「めちゃくちゃ大事なカードやで?!やってんな、ホンマに!無くした時のために、カードとチェンジャー紐付けしとけって言うたぞ俺は!社長も何でこの人を司令官にしたんか分からんわ…」

末澤は金切り声を上げて頭を抱える。