story15【桜庭空】 ページ16
「……あなたは、誰ですか?私の、味方ですか?」
その女の子は冷静に、少し困った様に言った。
路地裏に吹く風が青紫色の髪を揺らしていてまるでお伽話のお姫様みたいだった。
雰囲気が僕より大人っぽかった。
お兄ちゃんとはタイプが完全に違くて少し緊張する。
「そうだよ、ぼ、く は…」
そうだよ、僕は味方だよ。
貴方を加護の惹きつける力で見つけたんだ。
そう言おうとした瞬間、今の自分の状況を改めて確認した。
仲間っぽい女の子がいた
追いつけなくなるのが怖かった
だから急いで抱きついた
こうするば止まると思った
小さい時、足の速いお兄ちゃんに置いてかれるのが嫌で抱きついていた。そうすればお兄ちゃんは止まってくれた。
…でも今抱きついているのは 女の子 。
5秒くらい時が止まって、今僕は物凄く恥ずかしい事をしている事に気付いた。
「あ、ご…ゴメンナサイ…」
顔が赤くなってゆっくりと女の子から手を離した。
僕がやかんなら絶対沸騰しているなと考えながら手で顔を覆うと、腰が抜けて地面に座り込んだ。
女の子はというと急に照れ始めた僕に戸惑っている様に感じた。
…いや、抱きつかれた事を嫌悪しているのかも。
「…あの、大丈夫…には見えませんね。」
顔を覆う手の隙間から女の子の顔が薄っすら見えた。
何かを確信した目つきと、ぎこちない微笑みと、純粋に僕を心配している様に見える対応からは嫌悪や敵意は感じなかった。
–––––––この子は味方だ。
何となくそう感じた、でも絶対間違えてはない。
「大丈夫です…その、抱きついてごめんなさい。」
「…いえ、平気ですよ。」
顔の赤みが少し治ったのを理由に顔を覆う手を元に戻した。
女の子は左右で色の違う僕の目を見て何を思うんだろう、なんて頭で思い浮かべながら女の子に口を開く。
「あの、僕は味方です。神様から加護を貰いました。」
少し間を置いて、問いを掛けた。
「僕は桜庭空です、えと…貴女は?」
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零(プロフ) - 更新終了致しました (2018年3月30日 7時) (レス) id: 481c4bde27 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 更新をさせて頂きます (2018年3月30日 6時) (レス) id: 481c4bde27 (このIDを非表示/違反報告)
赤城丸(プロフ) - プルポリーさん» いえ、多分大丈夫です。お疲れ様でした。 (2018年3月19日 14時) (レス) id: 06c4c5d35d (このIDを非表示/違反報告)
プルポリー(プロフ) - 本当にごめんなさい、、、もし、1ヶ月で占ツクを辞めることが出来ずに迷ってたら、もしかしたら、戻るかも知れませんがその時はよろしくお願いします、、一緒に合作した事は楽しませてもらいました!ありがとうございます (2018年3月19日 11時) (レス) id: c6282bb7de (このIDを非表示/違反報告)
プルポリー(プロフ) - 赤城丸さんその他参加者さん、参加したのですが、これから先新学期となり占ツクを辞めたいと思ってます、、、本当に自分勝手で許される行為じゃないのだと思っています本当にすみません、、勝手にキャラクターは動かすのを皆さんにお願いしたいです (2018年3月19日 11時) (レス) id: c6282bb7de (このIDを非表示/違反報告)
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