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story12【三千院紫苑】 ページ13

すぐに、見えた人影が味方でないことが、紫苑にはわかった。
加護の力がある、だけれど、こんなに広い世界だ。そんなに早く見つかるわけがない。

此処は見晴らしが良過ぎる。味方でないとしたら、敵か、加護を持たない人達だろう。
紫苑はそう考えて、なるべく素早くその場から離れる。


路地裏のような、少し入り組んだ道に、紫苑は辿り着いた。
敵に見つからずに来られたことに、安堵し、溜息をつく。味方にも出会わなかったが、無傷なのは良いことだ。

「……?」

ここに近付くにつれて何と無く、感じた。誰かが自分を呼んでいるような、そんな感覚。
瓦礫と小石を、踏み締めつつ、紫苑は路地裏に入っていく。

とても静かだ。

ゆっくり、ゆっくり、確かめるように歩く。
場所を変えても、紫苑は此処が何処なのかはわからなかったが、先程よりも良いような雰囲気を感じる。

「__」

呼吸音と、足音しか聞こえなかった、そんな静寂を誰かの声が破る。
紫苑は、どきりとして、足を止めた。遠い声で、よく聞こえなかったが、確かにそこにいるのだろう。

この感覚が何を知らせるものなのか。
味方か。はたまた敵なのか。紫苑は判断しかねていた。

非日常と言わざるを得ないようなこの状況だったが、意外と冷静ではあるようで、そして、皮肉にもその冷静さが行動を制限していた。

味方だったなら、声のした方へ向かえば良い。しかし、もし、敵だったならば、それは危険極まりない。
紫苑が貰った加護の力も、上手く行かなければ何も出来ないままに終わるかもしれない。

紫苑は悩んでいたが、やがて静かに歩き出した。何処かに抜け道があれば、そこから出て遠くから見て見ればいい。無ければ、何処かに身を潜めればいい。

すると、どんどん、誰かの気配が近づいて来た。走る音、瓦礫や家具の残骸に足を取られそうになる音が、近づく。

どうすれば。焦る気持ちを押し込めて、歩き続ける紫苑の背に向けてその誰かが叫んだ。

「待ってってば!!!」

紫苑は思わず歩みを止める。程なくして、衝撃。
抱きつかれている__そう理解するには数秒の時間を要した。

紫苑はその誰かの方を向く。
そこには赤い髪の少年がいた。彼は少し恥ずかしそうに、だけれど、得意気な顔をして言った。

「…みつけた」

紫苑は、この少年は味方なのだろう、とただ漠然と感じた。
何を言えばいいのか、少し戸惑いつつこう問いかけた。

「……あなたは、誰ですか?私の、味方ですか?」

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(プロフ) - 更新終了致しました (2018年3月30日 7時) (レス) id: 481c4bde27 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 更新をさせて頂きます (2018年3月30日 6時) (レス) id: 481c4bde27 (このIDを非表示/違反報告)
赤城丸(プロフ) - プルポリーさん» いえ、多分大丈夫です。お疲れ様でした。 (2018年3月19日 14時) (レス) id: 06c4c5d35d (このIDを非表示/違反報告)
プルポリー(プロフ) - 本当にごめんなさい、、、もし、1ヶ月で占ツクを辞めることが出来ずに迷ってたら、もしかしたら、戻るかも知れませんがその時はよろしくお願いします、、一緒に合作した事は楽しませてもらいました!ありがとうございます (2018年3月19日 11時) (レス) id: c6282bb7de (このIDを非表示/違反報告)
プルポリー(プロフ) - 赤城丸さんその他参加者さん、参加したのですが、これから先新学期となり占ツクを辞めたいと思ってます、、、本当に自分勝手で許される行為じゃないのだと思っています本当にすみません、、勝手にキャラクターは動かすのを皆さんにお願いしたいです (2018年3月19日 11時) (レス) id: c6282bb7de (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:企画の参加者様達 x他8人 | 作者ホームページ:なっしんぐ  
作成日時:2018年3月4日 14時

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