story11【四月一日誠音】 ページ12
都市として機能しなくなったその場所へ雨が降り注ぐ。
瓦礫や硝子が散らばった血生臭いその場所で
一人の少女は膝をついた。
もう動かなくなった目の前に横たわる青年に目を落とす
全身に刻まれたその傷からは
彼があがき続けた事がわかる。
必死に守ろうとしたんだ。
「……こんなになるまで戦うとか…ほんと、馬鹿だよ…」
彼、星夜の能力は“感覚の拒絶”。
痛みを感じなくする能力だ。
痛みを拒絶し、戦い続けたんだ
自分の体に限界がきてるのも知らずに。
何もできなかった自分が悔しい
未だ能力も制御できずに、ただただ気配を消して見ていただけの自分が
とても憎い。
そして、怖い。大切な人を失うのが。
どれくらいそこに居ただろうか。
雨も止み、日も沈んできた。
「…せめて、安らかな眠りを」
動かなくなった“彼等”に、小屋で見つけた藁を
丁寧に、一人ずつ被せた。
一人一人に手を合わせ、ふと木陰に目を止める。
そこには兄が脱ぎ捨てた緑色のパーカーがあった。
誠音はそれを拾い上げると、兄だったモノの方へ体を向ける。
「…私、お兄ちゃんの守ろうとしたもの…絶対、私が守ってみせるから」
また雨が降ってきたのだろうか、
「……だから、」
誠音の顔を無数の“雨”が濡らす。
「見守っててね…お兄ちゃん」
誠音はその場所を立ち去った。
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零(プロフ) - 更新終了致しました (2018年3月30日 7時) (レス) id: 481c4bde27 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - 更新をさせて頂きます (2018年3月30日 6時) (レス) id: 481c4bde27 (このIDを非表示/違反報告)
赤城丸(プロフ) - プルポリーさん» いえ、多分大丈夫です。お疲れ様でした。 (2018年3月19日 14時) (レス) id: 06c4c5d35d (このIDを非表示/違反報告)
プルポリー(プロフ) - 本当にごめんなさい、、、もし、1ヶ月で占ツクを辞めることが出来ずに迷ってたら、もしかしたら、戻るかも知れませんがその時はよろしくお願いします、、一緒に合作した事は楽しませてもらいました!ありがとうございます (2018年3月19日 11時) (レス) id: c6282bb7de (このIDを非表示/違反報告)
プルポリー(プロフ) - 赤城丸さんその他参加者さん、参加したのですが、これから先新学期となり占ツクを辞めたいと思ってます、、、本当に自分勝手で許される行為じゃないのだと思っています本当にすみません、、勝手にキャラクターは動かすのを皆さんにお願いしたいです (2018年3月19日 11時) (レス) id: c6282bb7de (このIDを非表示/違反報告)
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