【n.p.l】朝焼 (ページ12)

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　「出不精なのは知ってるけどさ。
　……あ。いいこと思いついた」

　「いいこと？」

　「うん、いいこと。
　用事あったから明日私、昼間駅前まで出るわ」

　「車は？」

　「借りてく。
　どうせ出ないから使わないでしょ？」

　「んや、いいけど。
　駅前行くならついでに本屋寄ってきて」

　ch放送でこの間話していた漫画の新刊が出ていたはず。
　そう思って伝えると上機嫌に引き受けてくれた。
　女心と秋の空とはこういう事なんだろうか。

　翌日、夕方。
　晩飯の支度をそろそろ済ませるか、と重い腰を上げたタイミングで玄関のドアがガチャリと開く。

　そういえば食材の買い出し追加で頼んでたっけ。受け取ってやろう、重いだろうし。
　台所に向けていた足の方向を変え、玄関へと向かう。
　

　「遅かったな。おかえ……り……！？！」

　見慣れた近所のスーパーの袋を受け取ろうと手を伸ばし、Aの顔を見て思わず硬直する。

　「ただいま！
　びっくりした？」

　びっくりするも何も。

　「え、は、なに？！
　何でいきなりそんな短くなってんの？」