【n.p.l】朝焼 (ページ2)

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『お疲れ様です、八峰です。終わったのでロビーにいます』

『お疲れさまー！寄るところあるから新宿駅の東口の居酒屋で直接待ち合わせにしよう！』

先輩の言った通り、本当に19時前に終わってしまった。
メッセージには店は予約してあると記されていたので駅に向かう。

外に出ると空気が冷たく刺さるようだ。
もうそろそろ布団も冬仕様にしても良いかもしれない、など取り留めもない事を思いながら手をポケットに突っ込み歩く。

「……あ、はっちくん！おつかれ！」

「お疲れ様です。出るの早いですね」

コートを脱いで小上がりに胡座をかくとすぐに冷えたジョッキが運ばれる。

「じゃあちょっと早めのプチ忘年会ということで。乾杯！」

軽くグラスをぶつけ、冷えたビールを流し込む。
疲れた身体に炭酸とアルコールが心地良い。

二人きりで飲むのは初めてで多少は緊張していたはずなのに、1杯目のジョッキが空になる頃にはすっかり緊張は解けていた。

　

最近の仕事、上司、飼ってる猫、おすすめの本、次頼む酒。話題は尽きない。

次に行こうと先輩が切り出したのでお会計を済ます。
手伝って貰ったお礼という事でここが自分が、と申し出るもいなされ割り勘にされてしまう。

「あ、そうだ。これあげるよ、ハッピーバースデー」

2軒目でハイボールを飲んでいると不意に包みを渡される。

「え、ありがとうございます。なんですか？これ」

「似合いそうだと思ったから。開けて良いよ」