コミュ障少女と負けず嫌い ページ46
『王子、今一番聞きたいこと聞いてもいい?』
「うん?何かな?」
ふわふわさん...もとい髭切と握手を交わした後、私は右に座っている王子に視線を向け直した。髭切は相変わらず私の横から離れる気配が無く、今もにこにこと微笑んでいる。そんな彼の様子を見かねた鶴丸が、髭切と私の間に割り込んできたがあまり気に留めず、私は王子に言葉を投げかけた。彼はニコッと笑ってそれに応える。
私が一番聞きたいこと...それは一つしかない。
『あんた...どうやってここに来たの?』
じ、と王子の顔を見つめて返答を待つ。丁度あの瞬間、彼がどんな方法でこの世界にやってきたのか...今の私にとって最大の謎である。すると王子は何の躊躇いも無く、普通に答えを出した。
「門に飛び込んだんだよ」
『お前はアホか』
は?門に?飛び込んだだって??阿呆か??コイツは阿呆なのか???
まさかのカミングアウトに、私はポカンと口を開けてなんとも間抜けな表情になった。実際、王子はアホだなんてひどいな〜などとふざけたことをぬかしており、私は密かに拳を握りしめた。
『...怖く、なかったの?死んじゃうかもしれないって...』
「え?どうしてだい?」
私は怖かったぞ?こんのすけの力によるものだったとしても(T_T)
当然の疑問を口にし、王子の顔色を窺う...が、彼は拍子抜けといったような顔で首を傾げているだけであった。ヤバい...このアホな幼馴染のことが分からない...
「門の先にAがいるのに、どうして怖がる必要があるんだい?」
『...は、』
いや、だからどうしてそう言い切れるんだよ不思議だわ(#^ω^)
至極当然のようにきっぱりと言い切った王子に、私は頭を抱えた。ああ...頭痛が...
『...いないかも、しれなかったんだよ?』
「でも、実際居たじゃないか」
『』
そうだけども...!そうなんだけれども...!!私が言いたいのはそこじゃないんだよ...!!
変なところで負けず嫌いな王子が、僕間違ってないよね?ね??とでも言いたげな目でこちらを見据えてくる。こうなった王子は誰にも止められないということは、幼馴染である私が一番わかっていた。
『...うん、そうだね』
「でしょ?」
これ以上言い争っても時間の無駄だと判断した私は、早々に白旗を上げて降参の意を示す。そんな私の様子に満足したのか、王子はにっこりと笑って一つ頷いた。
『...で?帰りのことは?』
「...あ」
頭に無かったらしい。私はとりあえず、一発殴っておいた。
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マンゴータルト - 四方さん» すみません!意図的にロックを掛けてます!!続きが書け次第、外すのでそれまでお待ちください!! (2016年10月22日 13時) (レス) id: c00500378b (このIDを非表示/違反報告)
四方(プロフ) - マンゴータルトさん コミュ障とブラック本丸は紙一重続きが、ロックされていて読めないのですが………。 差し支えなければパスワード教えてもらえますか? (2016年10月22日 11時) (レス) id: a45b5ffb69 (このIDを非表示/違反報告)
琴乃(プロフ) - オチは、2希望です。 (2016年10月15日 9時) (レス) id: 1a1a007ba2 (このIDを非表示/違反報告)
月詠 - 初めまして!オチは3がいいです。応援しています!頑張って下さい! (2016年10月13日 19時) (レス) id: 5c8f3d365b (このIDを非表示/違反報告)
鈴乃 - オチは2が希望です!宜しくお願いします!! (2016年10月11日 19時) (レス) id: 22f537c9a2 (このIDを非表示/違反報告)
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