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STORY 62 ページ12

「許可する訳にはいきません。残念ですが今日から祝言の日まであなたに見張りを付けさせてもらいます。もう二度とAさんに会うことは許しません」
「なんでだよ、なんでそこまでするんだよ!…これが最後の頼みでもか?」
「今までのあなたは女性に対してどこか冷淡だった。興味がない、と言ってもいいぐらいに。ですからこれまではあなたのやる事に口出ししなかったんです。ですがAさんは違う、あなたは本気でAさんを愛している」
「そこまで分かっているのならなんでだっ、俺は…俺はAと一緒になりたいんだよ!あいつ以外と結婚する気はないっ」
「あなたは本当にそんな我侭が通るとでも思っているんですか?あなたの結婚はあなただけの問題ではないんです、この家の問題なんです。この祝言はこれからのこの家の繁栄の為にどうしても必要なんですよ」
「なんだそれ、俺の気持ちはどうなるんだよ。俺のAへの想いは…」
「残念ですが諦めて下さい」


どうして、どうして一番愛する人とただ一緒にいたいと願うことのどこがいけないっていうんだ。
大切な人を失ってまで貫かなければならない事が家の繁栄の為なんて。
俺にはそんな事、どうでもいい事なのに…


「部屋へお連れしろ」

再び反論しようと顔を上げた目の前にいつの間にか家の使用人が二人いて、ざわの命令と共に俺の腕を無理矢理取ると強引に自室へ向かって歩き出した。

「やめろっ、離せ‼」

俺の言葉なんて完全に無視して。

それでも絶対に諦めない。
かならずもう一度お前に会いにいくから、A…





てつやさんさんはあの日以来姿を見せなくなった。
本当はこれで良かったのかもしれない。
だけど私の心の中は決して穏やかではなかった。
あなたに会えないことがこんなに辛いなんて…
あれからまだ数日しかたっていないのにもう何年も、何十年も引き裂かれているような気持ちになっていた。

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かえで(プロフ) - あいまるさん» 当時、悩みながら書いた作品だったのですがこうして今読んで頂けたことが私にとっては最高に嬉しいです。勿体無いほどの言葉を本当にありがとうございました! (2021年4月27日 21時) (レス) id: 7b9a694418 (このIDを非表示/違反報告)
あいまる(プロフ) - もう、感動の一言につきます。思わず涙をこらえるページもありました。こんな作品を生み出していただいて、ありがとうございます!この作品に出会えて良かったです! (2021年4月26日 21時) (レス) id: 8885b9410d (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - りなさん» お気持ちだけ受け取ります、これからも無料でガンガン読んでやってくださいw有難いお言葉を本当にありがとうございました! (2018年11月13日 8時) (レス) id: 7b9a694418 (このIDを非表示/違反報告)
りな(プロフ) - すんばらしいです。。お金払って読みたいレベルです。。素敵なお話ありがとうございました^ ^ (2018年11月12日 0時) (レス) id: e2ead3d137 (このIDを非表示/違反報告)
かえで(プロフ) - オニク。さん» 有り難いお言葉をありがとうございました!とても励みになりました。 (2018年4月30日 14時) (レス) id: f1c141d7d3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かえで | 作成日時:2018年3月6日 17時

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