思い出 （2013 year）2 ページ6
あーもう朝からどエライもん見てしまった。
私は足早に待ち合わせ場所へと向かう。
駅前に辿り着くと辺りをキョロキョロしてお相手を探す。
「A」
名前を呼ばれてそちらへ顔を向けると、笑顔の彼がそこにいた。
「ごめんね、お待たせ」
「いいよ、全然待ってない。時間通りやん」
それから顔を見合わせて笑った。
はぁ〜いつ見てもかっこいいなぁ。
芸能人で言うなら、強いて言えば山◯賢人？
それに歴代彼氏とは違って本当にすっごい優しいの！
今回ばかりは絶対当たりだって思ってる。
きっとこの人が私の運命の人なのかも。
「じゃあ行こうか」
「うん」
頷いたらさっと私の方へ伸ばされてきたその手を取ると、手を繋いで私達は歩き出した。
いいもんね、私達だっててつや達に負けないくらいラブラブだもん。
それからはお昼ご飯を食べて、少しウインドウショッピングして。
その後は映画を観て、終わってから映画館の外へ出るともう陽も傾いてかなり薄暗くなっていた。
「どうする、夕ご飯にはまだ早いよね」
「少しだけこの近くの公園でも散歩しようか」
「うん」
二人また手を繋いで公園へ向かって歩き出す。
でもなんだろう、いつも思う。
男の人とこんな風に手を繋いでドキドキしないのっておかしいのかなって…
会話もなく私達はただ手を繋いだまま歩いていた。
何か話した方がいいのかななんて考えるけど、何を喋ったらいいのかがみつからない。
どうしようって思っていた時繋いだ手に少し強く引き寄せられて、木の陰へと引っ張られたらそのまま口付けられた。
慌てて目を閉じると、最初は遠慮がちに触れてきた唇が徐々に深くなっていく。
私の身体が強張って少し震える。
暫くして顔が離れると彼は言った。
「今日、どこか泊まってく？」
その一言に胸の鼓動が一気に早くなる。
いつかはこうなるだろうとあらかたは予測していたことだったけれど、それがとうとうやってきてしまった。
だけど私はそれにすぐ答えることが出来ない。
むしろまだその覚悟が出来ていなかった。
「あの…ごめんなさい…今日は…」
「今日も、だろ？」
「え…」
顔を上げたら、呆れたみたいな表情で私を見ていた彼と目が合った。
あまりの冷たい視線に身体が硬直した。
「そういうとこさ、確かに最初はかわいいって思ってたよ。だけど付き合ってもう結構経つのにずっとそんなじゃぶっちゃけうざい、つーかめんどくせえ」
一瞬で目の前の景色がモノクロになった。
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かえで(プロフ) - 七海さん» ありがとうございます。ついざわくん絡みの話を書きたくなってしまいますw更新頑張ります！ (2018年4月25日 15時) (
レス) id: f1c141d7d3 (このIDを非表示/違反報告)
七海(プロフ) - ざわくんを想うヒロインの気持ちがいつも繊細でとても感情移入して読んでます。これからも更新楽しみにしてます。 (2018年4月24日 17時) (レス) id: ff325b6cef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かえで
| 作成日時：2018年2月21日 12時
