秘密のデート 5 ページ41
虫さんと二人きりの時を過ごした翌日の夕方。
今日は動画撮影はお休みで、一人てつやの家で過ごした。
昨夜の秘密のデートを思い出しながらぼんやりしていた時だった。
「おーいA、帰ったぞー」
てつやの声がして、我に返ると私は慌てて小走りで玄関へ向かった。
「おかえり」
「おーただいま。ほら、これ」
手にしていた黄色いビニール袋を私に差し出してくるてつや。
それをなんの気なしに受け取った。
「ちゃんと買ってきたからな、東京ばな奈。これで往復ビンタはなしな？」
背の高いてつやが屈んで私の顔を覗き込みながら言った。
目が合ったらにっこり笑い掛けてくるてつやを見たらなんだか涙が溢れ出して止まらなくなった。
そんな私にてつやは一瞬で驚いた顔つきに変わる。
「お、おい、なんだよどうした？そんなに東京ばな奈嬉しかったのかよ⁈」
見当違いのその言葉に思わず小さく吹き出してしまう。
なんだか心の中が温かくなる。
それでもポロポロと頬を伝っていく涙を、てつやがその大きな手のひらで拭うとそれから私のことを強く抱きしめてきた。
「会いたかった、A」
ぼそっと耳元で呟く、なんだか胸がとても痛んだ。
「なに言ってるのよ。たった1日顔合わせなかっただけじゃない。ほぼほぼ毎日一緒にいるっていうのに」
「なんか最近Aと片時も離れたくねーんだよ。こうやってお前の顔見て、声聞いて、触れてないと落ち着かない」
そう言って少し身体を離したてつやを見上げたら、唇が重なり合った。
触れるだけのキスを何度か繰り返したら、少しずつ深くなっていく。
てつやに身を任せていると、キスの合間囁かれた。
「好きだ、A」
私も、てつやが好き。
この気持ちは本物だよ。
もう絶対迷ったりしない、この先の人生てつやに寄り添って生きていく。
再び唇を塞がれて、瞳を閉じて私は心にそう誓った。
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かえで(プロフ) - 七海さん» ありがとうございます。ついざわくん絡みの話を書きたくなってしまいますw更新頑張ります！ (2018年4月25日 15時) (
レス) id: f1c141d7d3 (このIDを非表示/違反報告)
七海(プロフ) - ざわくんを想うヒロインの気持ちがいつも繊細でとても感情移入して読んでます。これからも更新楽しみにしてます。 (2018年4月24日 17時) (レス) id: ff325b6cef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かえで
| 作成日時：2018年2月21日 12時
