秘密のデート 2 ページ38
「あ、えっと夕飯、だよね？…うーん、今晩は一人だからなぁ。なんかある物で適当に済ませようかなと思ってるけど」
「それなら一緒に夕飯食べに行こうか？」
「え…？」
意外な言葉に驚く、そんな私に虫さんは笑った。
「ほらここずっと色々あって、前に約束したご飯結局行けてないでしょ？折角の機会だしどうかなと思って」
「あ、あぁそうだね。確かに、色々あったね…」
最近のドタバタを思い出しそう答えると虫さんと目が合って、それから私達は笑い合う。
本当に、この何ヶ月かの間には色んなことが私の周りに起きて。
ずっと片思いしていた虫さんへの気持ちに区切りを付けて、今ではてつやとこの先の人生を歩もうとしている。
そう考えてみると、今更ながらなんとなく不思議な気分になってくる。
「あの時のやり直し、してもいいかな？って、今更だよね…」
「ううん、そんなことないよ！覚えててくれて嬉しい、すごく」
「本当？良かった、実はね調べておいたんだ。名古屋で美味しいって評判のイタリアンの店」
「え、本当に？すごいすごい、行きたい！」
「じゃあ今から行こうか、ご飯食べたらドライブもね」
「え、いいの？」
「もちろん」
なんだろう、久しぶりのこの感覚。
胸がドキドキして、ときめきが止まらない。
いいのかな、こんな気持ちで虫さんとご飯に行っても。
そんな思いと同時に、てつやの優しい笑顔が頭に浮かんでいた。
「Aちゃんはてつやのどこが好きなの？」
夕暮れが包み始める街を虫さんの運転する車が走る。
助手席に座る私はそんな疑問に隣の虫さんの横顔を凝視してしまう。
なに、どうして突然そんなこと聞くの？
「え、えーと…どこだろ？なんかパッと思いつかないな…」
「それてつや聞いてたら泣くよ？」
私が悩みつつそんな風に返したら、虫さんは肩を震わせながら可笑しそうにクスクス笑う。
だってそんなこと考えたことなかったから。
てつやは物心ついた時から私のずっと傍にいて。
それが当たり前で、ここが好きだから一緒にいるとかここが嫌いだから離れたいとか。
そういう風に思ってみたことなかったし…
私にとって一番難しい質問かもしれない、それって。
「じゃあ、てつやの全部が好きってことだね」
「はぁぁ？」
え、それは絶対ないでしょ？
「えー⁈だらしなくて、女の子大好きで、浮気推奨公言してて、調子がよくて、くだらないことばっかり考えてるド変態なとこを？」
「良く分かってるやん」
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かえで(プロフ) - 七海さん» ありがとうございます。ついざわくん絡みの話を書きたくなってしまいますw更新頑張ります！ (2018年4月25日 15時) (
レス) id: f1c141d7d3 (このIDを非表示/違反報告)
七海(プロフ) - ざわくんを想うヒロインの気持ちがいつも繊細でとても感情移入して読んでます。これからも更新楽しみにしてます。 (2018年4月24日 17時) (レス) id: ff325b6cef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かえで
| 作成日時：2018年2月21日 12時
