夜道 3 ページ36
家まで残りわずかの帰り道、腰を抜かした私をてつやがおんぶして歩いてくれていた。
てつやはまた可笑しそうに肩を震わせる。
「まさか腰抜かすほど驚くとはなぁ」
「笑い事じゃないのに…」
「あーカメラ回してれば良かったな」
「やめてよ！すぐそういうこと考えるんだから…」
「そもそも俺は声かけようと思ってたんだぞ？それをお前がダッシュで逃げるもんだから…」
「だって、てつやだなんて全然思わなかったんだもん」
てつやが一旦立ち止まり私を背負い直して一言。
「ところでなんだお前、もしかして太ったか？」
「⁉」
思いっきりてつやの後頭部をグーで殴ってやった。
「ったぁ⁈お前、この状態でグーパンはないだろ！」
「失礼なこと言うからです」
「冗談の通じんやつだなぁ」
「言って良い冗談と悪い冗談があるでしょう？」
「へーへーすんませんでしたぁー」
「…その言い方すごいムカつく」
「それとなぁ、A」
「今度はなによ？」
「あんまりひっつくな、胸が当たる」
「なっ⁈」
「まぁあるかないか分からん胸だけどなぁ？」
ムカっ！
私はもう一度てつやの後頭部に鉄拳制裁‼
「お前だからグーはやめろやっ‼」
「だから失礼なことばっかり言うからでしょうがっ！」
もうすぐ時刻は深夜２：００。
一日の終わりをまさかこうして、てつやの背中で迎えることになるなんて思いもしなかったけど。
こんな日もあっていいかなぁ、なんて。
温かい背中にしがみついて思っていた。
そんなある夜の帰り道での出来事。
end.
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かえで(プロフ) - 七海さん» ありがとうございます。ついざわくん絡みの話を書きたくなってしまいますw更新頑張ります！ (2018年4月25日 15時) (
レス) id: f1c141d7d3 (このIDを非表示/違反報告)
七海(プロフ) - ざわくんを想うヒロインの気持ちがいつも繊細でとても感情移入して読んでます。これからも更新楽しみにしてます。 (2018年4月24日 17時) (レス) id: ff325b6cef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かえで
| 作成日時：2018年2月21日 12時
