いっぱいキスしよう（2010 years）side TETSUYA 3 ページ30
仕方なくのそのそ支度して(あまりのスローペースに終始Aはキレていたが)二人で家を出た。
街の中を並んで歩いていると、すれ違い様何人かの男がAをチラ見してくる。
こんな感じも相変わらずなのだが、なんだか今日はやけにそれが気に入らない。
どうしてかやたらイライラした。
「あ、ちょっとコンビニ寄ってもいいか？」
「うん、いいよ。じゃあ私外で待ってる」
「分かった」
俺だけ中へ入ってお目当ての物を買うと辺りを見回す。
するとAが困った顔をして、なにやら若い男に話しかけられている姿を見つけた。
なんだ、あの男。
「A！」
俺が呼んだらAは振り返ってこちらを見るとほっとした顔をして。
「てつや！」
俺の傍まで駆け寄って来た。
「誰だ、あいつ？」
「知らない、ナンパされちゃった」
「はぁ、ナンパぁ？」
慌ててそいつにもう一度視線を向ければ、残念そうな納得いかないような顔をしてこっちを見ている男と目が合った。
「A、行くぞ！」
「あ、う、うん…」
またイラっときて俺はさっさと一人歩き出した。
Aが慌てて足早に俺の隣に来ると、二人並んで歩く。
「良かったぁ、てつやちょうど来てくれて。断っても断ってもすごいしつこいんだもん」
Aが俺を見上げてそう言うのを聞いて、なんだかすっげぇ腹が立つ。
なんとなく隣にいるAをじっと観察してみる。
いつも当たり前みたいに俺の傍にいるからそんなに気にもしてなかったけど。
こいつってやっぱりそんなにかわいいのか？
そんな俺の視線にAが気づいて訝しげにこっちを見てきた。
「何じろじろ見てるの？気持ち悪いんだけど…」
「あ？気持ち悪いは余計だろうが」
ったく、なんなんだよ。
いつの間にか目を引く様な外見に成長していた幼馴染のことを、何とも言えない気持ちで見つめていた俺だった。
Aはきっとこれからもっと綺麗になる。
そんな気がする…
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かえで(プロフ) - 七海さん» ありがとうございます。ついざわくん絡みの話を書きたくなってしまいますw更新頑張ります！ (2018年4月25日 15時) (
レス) id: f1c141d7d3 (このIDを非表示/違反報告)
七海(プロフ) - ざわくんを想うヒロインの気持ちがいつも繊細でとても感情移入して読んでます。これからも更新楽しみにしてます。 (2018年4月24日 17時) (レス) id: ff325b6cef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かえで
| 作成日時：2018年2月21日 12時
